研究課題/領域番号 |
08457560
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
長尾 徹 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90261007)
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研究分担者 |
伊藤 宜則 藤田学園保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (50087665)
深野 英夫 大阪府立病院, 歯科口腔外科, 医長 (00231556)
宮崎 秀夫 新潟大学, 歯学部, 教授 (00157629)
池田 憲昭 国立国際医療センター, 地域保健医療研究部, 研究員 (30150791)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | ベータ-カロテン / 口腔扁平苔癬 / コホート研究 / 疫学 |
研究概要 |
前癌状態の一つである口腔扁平苔癬のわが国での有病率は0.5%で、2/3が女性である。本症の原因は解明されておらず根本的治療法はない。我々は同症の発症の要因の一つとして栄養因子に着目し、わが国とマレーシアにおいて症例、対照研究を実施している。その結果、口腔癌/口腔前癌病変/状態を有する患者の血清β-カロテン値がコントロールに対して低く、本症の危険因子としては、喫煙との関連よりも低血清カロテン値の可能性が示唆された。本研究の目的は、日本人女性を対象としてコホート研究によって血清カロテン値により分けた危険群と対照群における口腔扁平苔癬の発症頻度を指標として、このような要因が同症発症の危険因子であるかどうか確認することである。対象は平成7年度愛知県T市において実施した成人検診受診者で、口腔粘膜検診を実施した3274名のうち口腔粘膜病変陰性、40歳以上の女性、非喫煙者のうち血清中のβ-カロテンを測定し得た934名とした。これをコホートに設定し、得られたβ-カロテン値データから、低値群(0〜44.8μg/dl以下)、中間値群(44.9〜96.9μg/d1以下)、高値群(97.0μg/dl以上)と3群に分けた。そして以後、平成8年度から10年度までの3年間に平成7年度と同様の方法で口腔粘膜検診を行い、その結果精密(二次)検診で口腔扁平苔癬と診断された症例数を3群で比較し統計的観察を行った。結果は、精密検診で6名の口腔扁平苔癬症例が検出され、内訳は低値群1例、中間値群2例、高値群3例であった。本結果の統計学的分析では3群で有為な差はなかった。以上より、40才以上の非喫煙日本人女性における低血清β-カロテン値は口腔扁平苔癬発症の要因の可能性が低いことが示唆された。
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