研究概要 |
1.Wistarラットによる予備実験より以下のことが明らかになった。 (1)定常状態の血清中Al濃度は8ppb,F濃度は0.06ppmであった。 (2)フッ素1mmol/kgを経口投与した後の血清中F濃度は,2.0ppm(30分)1.5ppm(60分)0.8ppm(120分)0.6ppm(240分)であった。 (3)アルミニウム1mmol/kgを経口投与した後の血清中Al濃度は,110ppb(30分)36ppb(60分)9ppb(8時間)9ppb (4)アルミニウムおよびフッ素各1mmol/kgを経口投与した後の血清中Al濃度は,970ppb(30分)330ppb(60分)36ppb(8時間)23ppb(16時間)であった。 2.アルミニウムとフッ素の同時投与を,上部消化管内pHを2,他の競合配位子を考慮しないというモデル実験として1.(4)での錯体の構成比を予測すると,Al^<3+>:AlF^<2+>:AlF^+:AlF_3がほぼ4:3:2:1となる。この比は同一条件でフッ素量を0.1mmol/kgとすると9:1:0:0に,また3mmol/kgとすると1:3:2.5:2でこれ以外にAl_4^-,Al_5^<2->,AlF_6^<3->が存在する。今後は錯体化合物の構成比と吸収状態との関係を明らかにし、錯体としての挙動を加味した考察を行っていく。 3.さらに今後は投与形態が固形食の場合について動物実験を行った後,ヒトでの同様の実験について投与量を検討する予定である。
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