研究課題/領域番号 |
08457570
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩本 義史 広島大学, 歯学部, 教授 (90034165)
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研究分担者 |
島津 篤 広島大学, 歯学部, 助手 (10274094)
森下 真行 広島大学, 歯学部, 講師 (90166405)
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キーワード | 歯周疾患 / 性ホルモン / 老化 / 歯根膜線維芽細胞 / シンデカン |
研究概要 |
ヒト歯根膜由来線維芽細胞(PDL)の機能が、老化あるいは性ホルモンによりどのような影響を受けるかについて、検討した。 (1)性ホルモンの影響について、オステオカルシンの産生を指標にして検討した。PDLの培地中に20ng/mlのエストラジオールを加え20日間培養したところ、オステオカルシンの産生が有意に増加することが確認された。この増加は、エストラジオールの濃度が0.2、2ng/mlにおいても確認された。 (2)PDLの分化、増殖に関与すると考えられるプロテオグリカンの産生についてRT-PCRおよびノーザンブロットを用いて検討した。シンデカン-1、-2、-4に特異的なプライマーを作成し、RT-PCRを行った。その結果得られたcDNAをクローニングし、塩基配列を確認した後、これをプローブに用いノ-サンブロットを行った。その結果PDLにおいては、シンデカン-2およびシンデカン-4が発現していることが確認された。しかしシンデカン-1の発現は確認できなかった。 次に、細胞の老化について検討するため、PDLの長期培養を行った。 (3)PDLを25日間にわたって培養し、分化の指標であるアルカリフォスファターゼ活性を測定した。その結果、アルカリフォスファターゼ活性は培養20日目まで上昇が認められ、それ以後は高いレベルを保った。 (4)シンデカン-2、シンデカン-4の発現レベルは、培養5日目では高く、25日間の培養により、発現が減少した。すなわち、細胞の分化あるいは老化とともに、シンデカンの産生は抑制される可能性が示唆された。
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