研究課題/領域番号 |
08457577
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
赤坂 守人 日本大学, 歯学部, 教授 (30059505)
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研究分担者 |
村田 典子 日本大学, 歯学部, 助手 (30277462)
菊池 元宏 日本大学, 歯学部, 助手 (40277455)
平田 順一 日本大学, 歯学部, 講師 (00173237)
中島 一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (90198078)
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キーワード | 乳歯列 / 顎口腔系器官 / 顎顔面形態 / 下顎運動 / 咀嚼筋活動 / 歯の三次元的位置 |
研究概要 |
乳歯列から混合歯列前半にかけて咬合は大きく変化する。咬合を構成する顎骨、顎関節、歯、口腔周囲筋などの諸器官が発育変化するためである。そこで、この時期、咬合が正常に推移するには、これら諸器官の形態と機能が調和をもって発育することが必要である。 咬合異常がどのような顎顔面、歯列の形態にあるか、また、下顎運動あるいは咀嚼運動などの機能はどうか、そしてこれら機能と形態はどのような関係にあるか、永久歯列については多く報告されている。しかし、発育が最も盛んな乳歯列期および混合歯列期について検討した報告は少ない。 今年度の研究は、乳歯列の咬合状態と咀嚼機能との関係について検討を行った。咀嚼機能は、咬合接触面積などの形態的因子、さらに咀嚼運動、咬合力などの機能的因子に影響される。咬合状態によって咀嚼能力が異なることは、永久歯列を対象にした検討により知られている。しかし、咀嚼機能の発達期である乳歯列期について検討した報告はみられない。そこで、乳歯列の咬合状態、すなわち正常咬合、反対咬合、過蓋咬合、開咬を対象に、咀嚼能力をチューインガム法により、咬合接触面積をオクルーザルプレスケール法によって測定し、各咬合状態の咀嚼能力および咬合接触面積の比較、咀嚼能力と咬合接触面積との相関について検討した。その結果、咬合接触面積は、開咬は正常咬合と比較して72%程度低く、他の咬合異常は差がなかった。咀嚼能力値は、過蓋咬合は、正常咬合と差がみられないが、開咬、反対咬合は、85%程度低かった。咀嚼能力と咬合接触面積との関係は、正常咬合、開咬、過蓋咬合、は正の相関を示した。反対咬合は有意の相関を示さなかった。今後は、この時期の咬合状態と咀嚼運動、下顎運動について検討の予定である。
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