研究課題/領域番号 |
08457578
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
相見 則郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (30009170)
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研究分担者 |
斎藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
北島 満里子 千葉大学, 薬学部, 助手 (60195261)
高山 廣光 千葉大学, 薬学部, 助教授 (90171561)
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キーワード | Camptothecin / Ophiorrhiza pumila / アカネ科 / 組織培養 / 再生植物 / 毛状根 / pumiloside / Deoxypumilosides |
研究概要 |
(1)天然分子の構造特性を利用したカンプトテシン類縁分子の合成:Camptothecinは抗腫瘍性天然分子としてきわめて重要な化合物であり、関連化合物の合成が世界各地で行われている。一方植物中の生合成経路の解明もきわめて興味が持たれる研究課題で、解決が急がれる。我々はこの二つの視点を考慮に入れ、想定される生合成経路に沿ってカンプトテシン類縁分子を合成する試みを行ってきているが、これまでの研究でSecologaninとTryptamineを出発物質としPumilosideを合成することに成功している。今年度はPumilosideからDeoxypumilodeへの変換に焦点を合わせて研究を行いこれに成功するとともに重要な新知見を得た。すなわちPumiloside tetraacetateをエノールリフレートに変えた後、Pd触媒存在下ギ酸を用いて還元することによって3(R)-Deoxypumiloside tetraacetateを、また3-epi-Pumiloside teteaacetate(3(S)-Pumiloside tetraacetate)を同様に処理することによって3(S)-Deoxypumiloside tetraacetateを得ることができた。得られた二つの化合物について、天然分子との詳細な比較検討を行った結果、1)これまでDeoxypumilosideのC-3位立体配置を(R)と考えていたがこれを(S)と訂正しなければならないこと、2)チャボイナモリの野性種、ならびに毛状根(次項参照)に3(R)-Deoxypumiloside、3(S)-Deoxypumilosideの両方が含有されていること、が明らかになった。 (2)資源植物Ophiorrhiza pumilaの細胞培養とそれを利用したカンプトテシン類縁体の生産研究:チャボイナモリOphiorrhiza pumilaについて、(a)カルス培養、(b)再生植物培養、(c)アグロバクテリウム感染による毛状根の形成と培養、を平行して行った。その結果(b)、(c)から一連のCamptothecin系化合物を得ることが出来た。特に上記にもあるように、毛状根が3-(S)-Deoxypumilosideと3-(R)-Deoxypumilosideの両方を生産する事実は、カンプトテシン生合成ルートとの関連で興味が持たれる。
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