研究課題/領域番号 |
08457597
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
永井 恒司 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40061270)
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研究分担者 |
東山 公男 星薬科大学, 薬学部, 講師 (70101582)
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (00130758)
鈴木 勉 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (90130757)
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キーワード | 経皮吸収促進剤 / メントール / チオメントール / O-エチルメントール / ケトプロフェン / ラット / log P値 / 皮膚刺激 |
研究概要 |
分子内にS原子を含むメントール誘導体(チオメントール誘導体)を合成し、それらの経皮吸収促進活性を評価することにより、従来にない画期的な吸収促進作用を有する化合物の開発を試みた。(-)ーメントンをチオアセタールに変換し、これをブチルリチウムで処理することによりチオメントールを合成した。また(-)ーメントールを原料とし、トシル化の後、チオ酢酸カリウムで処理し、続いて還元を行うことにより、チオメントールの立体異性体であるネオチオメントールを高収率で合成した。次に、これら化合物の3位メルカプト基にメチル基およびエチル基を導入し、合計6種類のチオメントール誘導体を合成した。 各化合物を含有するケトプロフェンヒドロゲルを調整し、ラットの腹部除毛皮膚に適用後、薬物血中濃度を測定することにより、経皮吸収促進活性を評価した。その結果、チオメントール誘導体の促進活性は、いずれも(-)ーメントールより有意に高く、以前の研究で最も活性が高くかつ皮膚刺激性の低かったO-エチルメントールと同等以上の活性を示した。さらに、これらの活性の強さは、計算から求めたlog P値と有意な相関を示した。そこで、最も活性の高かったS-エチルネオチオメントールをリ-ド化合物とし、pーメンタン骨格の1位メチル基の欠如した化合物など合計9種類を新たに合成し、先と同様にして促進活性を評価した。その結果、以下に示す知見が得られた。1)経皮吸収促進作用と促進剤のlog P値には密接な関係がみられる。2)チオメントール誘導体の1位メチル基は、活性発現には関与していない。3)チオメントール誘導体の4位置換基は活性発現に必須であり、かつその立体的な大きさが活性の程度に関与している。現在、これらの知見を元に更なる活性の増強を有する経皮吸収促進剤の開発を進めている。
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