研究概要 |
C-MYC複合体形成タンパク質を次々に固定し、新規のものはcDNAクローニングした。これらを大別し、以下まとめる。 1、DNA複製開始因子 MSSP(新規)、PCNA, DNAポリメラーゼαがこの範疇に入る。この内、C-MYCはMSSP, MSSP-1はDNAポリメラーゼα, PCNAと直接結合する。 2、G1/Sチェックポイントタンパク質 cdk2, p21,p107がこの範疇であり、C-MYCはp21, p107と直接結合する。 3、転写因子 新規タンパク質としてAMY-1のcDNAクローニングを行った。AMY-1は分子量11KDa程の小さなタンパク質であるが、通常は細胞質に存在するが、C-MYC発現により核に移行し、C-MYC機能を調節する。G1/Sチェックポイントタンパク質と複合体形成する。 1-3をまとめると次のように考えられる。C-MYC/MSSP複合体はG1/S境界領域ではcdk2/p21複合体に結合することでcdk2を活性化させS期開始のシグナルをあたえ、次にDNAポリメラーゼαがMSSP sideに結合し、実際の複製開始が起きる。次に、p21/C-MYC複合体にPCNAが参入し、C-MYCと拮抗的に作用してPCNA/p210cdk2複合体が形成され、そのPCNAにDNAポリメラーゼδが結合することで更なる複製が進むと考えられる。 4、アポトーシス関連因子 pim-1は直接C-MYCに結合する。更にpim-1結合タンパク質としてPAP-1, No.4の2種cDNAクローニングした。PAP-1はPim-1のリン酸化基質であった。
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