研究課題/領域番号 |
08457603
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大泉 康 東北大学, 薬学部, 教授 (00006355)
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研究分担者 |
中谷 圭吾 東北大学, 薬学部, 教務職員 (60281979)
古川 賢一 東北大学, 薬学部, 助手 (20165468)
中畑 則道 東北大学, 薬学部, 助教授 (60045804)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 海洋天然物 / 血小板 / 筋細胞 / Ca^<2+> / 血小板凝集 / ATPase / トロンボキサンA_2 |
研究概要 |
21世紀に向けた新しい医薬品資源を開発する目的で、海洋天然物の薬理学的、生化学的および化学的研究を行った。海洋由来の微小生物の大量培養によって得られたモノアシルグリセロール類が血小板機能を抑制することを見出した。また、ポリケチドのテオネゾライド-Aは血小板凝集に先立って起こる形態変化(shape change)を特異的に引き起こし、血小板活性化の初期の情報伝達を解析するためのツールとして有用であることを示した。一方、ゾ-ザンテラトキシン-A(ZT-A)は外液Ca^<2+>依存的な血小板凝集を引き起こすが、その細胞情報伝達系を詳細に検討したところ、チロシンリン酸化、ホスホリパーゼC-γ2、プロテインナーゼCの活性化を引き起こし、それがさらにmitogen-activated protein kinase(MAPK)を活性化し、細胞質ホスホリパーゼA_2の活性化を通してトロンボキサンA_2の生成が引き起こされることを明らかにした。ZT-Aの作用発現機構はアラキドン酸カスケード活性化薬のモデルとなるものと思われる。一方、プチロマイカリン-Aは特異的にATP結合部位と競合し、Na^+,K^+-ATPaseおよびCa^<2+>-ATPaseの阻害薬となることを示した。また、骨格筋筋小胞体からカフェインより1000倍強力にCa^<2+>遊離を引き起こすメチルブロモユ-ジストミンは平滑筋においては細胞膜直下のCa^<2+>の遊離作用を有し、細胞内Ca^<2+>のコンパートメントを研究していくためのツールとして有用であることを示した。以上のように、血小板および筋細胞の細胞情報伝達の解析を通して、いくつかの新しい天然物が特有の作用を現すことを見出し、それらが細胞情報伝達研究における薬理試薬として有用であること、また、医薬品開発のためのリ-ド化合物として有用であることを示した。
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