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1997 年度 実績報告書

イノシトールリン脂質3キナーゼを介する細胞内情報伝達系の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08457605
研究機関東京大学

研究代表者

櫨木 修  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80142751)

研究分担者 仁科 博史  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
星野 真一  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
堅田 利明  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
キーワードイノシトールリン脂質3-キナーゼ / チロシンリン酸化 / G蛋白質 / インスリン受容体 / 化学遊走因子受容体 / 細胞内シグナル
研究概要

イノシトールリン脂質3キナーゼには、チロシンリン酸化蛋白質によって活性化される型のものとG蛋白質のβγサブユニット(Gβγ)によって活性化される型のものの存在が知られていた。本研究においては、Gβγとチロシンリン酸化ペプチドによって相乗的に促進される活性を見出し、ラット肝臓よりこのような活性を2種類、部分精製し、そのひとつについてはβサブタイプであることを同定した。この酵素はすでにクローニングされていたものの、チロシンキナーゼに対する感受性のみが予測されていたものである。リコンビナント酵素を用いた解析では、既知の3種類のサブタイプのうち、このサブタイプのみが相乗的活性化を受けることも明らかになった。また、脂肪細胞などにおいては、インスリン受容体とG蛋白質共役型受容体の同時刺激により、イノシトールリン脂質3キナーゼ産物の蓄積が相乗的に増大することを観察した。同様の現象は、2種類の受容体(インスリン受容体と走化性因子受容体)を強制発現させたモデル細胞においても観察することができた。また、脂肪細胞や上記モデル細胞においては、インスリン作用(糖取り込みの増大、膜ラッフルの形成)がG蛋白質共役型受容体の同時刺激により顕著に増大していた。このとき、イノシトールリン脂質3キナーゼの下流に位置していると推定されるプロテインキナーゼBの活性も相乗的に上昇していた。以上の結果は、G蛋白質共役型受容体の機能に関して、チロシンキナーゼ型受容体からの情報をセカンドメッセンジャーのレベルで許容的に調節するという新しい役割を示したものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] N.Tsujimoto, et al.: "Potentiation of chemotactic peptide-induced superoxide generation by CD38 ligation in human myeloid cell lines." J.Biochem.121. 949-956 (1997)

  • [文献書誌] H.Kurosu, et al.: "Heterodimeric phosphoinositide 3-kinase consisting of p85 and p110β is synergistically activated by the βγ subunits of G proteins and phosphotyrosyl peptide." J.Biol.Chem.272. 24252-24256 (1997)

  • [文献書誌] S.Inoue, et al.: "Protein-tyrosine phosphorylation by IgGl-subclass CD38 monoclonal antibodies is mediated through stimulation of the FcγII receptors in human myeloid cell lines." J.Immunol.159. 5226-5232 (1997)

  • [文献書誌] 櫨木 修: "イノシトールリン脂質3キナーゼ" 蛋白質核酸酵素. 42. 394-402 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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