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1997 年度 実績報告書

FGFファミリーに属する新しい増殖因子の整理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08457606
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 信行  京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)

研究分担者 尾崎 恵一  京都大学, 薬学研究科, 助手 (50252466)
キーワードFGF / 増殖因子 / 脂肪組織 / 脳 / 神経
研究概要

FGFは線維芽細胞をはじめとするさまざまな細胞に対して増殖活性をもつペプチド性増殖因子である。現在まで,FGFファミリーは16のメンバーからなることが明らかにされている。われわれはラット遺伝子を単離し,その構造と発現の組織特異性を明らかにした。今回,われわれはヒトFGF-10遺伝子を単離し,その構造を明らかにするとともに,FGF-10遺伝子の染色体上の位置を決定するとともに,その生物活性も検討した。
ヒトFGF-10遺伝子はヒト肺cDNAライブラリーより単離した。ヒトFGF-10の翻訳領域は208アミノ酸からなるタンパク質をヒ-ドしていた。ヒトFGF-10のN-未満には分泌シグナル配列に相当する疏水性の高い領域が存在した。ラットFGF-10とヒトFGF-10とのアミノ酸配列の相同性は96%であった。さらに,FGF-10遺伝子の染色体上の位置をin situ hybridization法により決定したところ,FGF-10遺伝子は第5染色体短腕の12-13の位置に存在することが明らかになった。
ヒトFGF-10の生物活性を明らかにするため,ヒトFGF-10 cDNAをbaculovirus発現ベクターに組み込み,昆虫細胞でFGF-10タンパク質を発現させた。FGF-10は細胞培養液に25 kDaのタンパク質として検出された。従って,FGF-10は分泌タンパク質であることが確認された。
マウス胎児を用いたin situ hybridization法により,FGF-10は肺の間様系の細胞に高発現していることが明らかになった。従って,FGF-10は間様から上皮に作用する肺の形態形成シグナル分子であること推定される。従って,マウス肺の上皮組織にFGF-10を作用させ,その影響を調べた。FGF-10は肺の上皮組織の増殖と枝分かれを誘導することが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hoshikawa ら: "Structure and expression of a novel fibroblast growth factor,FGF-17,preferentially expressed in the embryonic brain" Biochem. Biophys. Res.Commun.in press (1998)

  • [文献書誌] Miyake ら: "Structure and expression of a novel,FGF-16,of the Fibroblast growth factor family" Biochem. Biophys. Res Commun.243. 148-152 (1998)

  • [文献書誌] Bellusci ら: "Fibroblast growth factor 10 (FGF10) and branching morphogonex in the embryonic mouse lung" Development. 124. 4867-4878 (1997)

  • [文献書誌] Emoto ら: "Structure and expression of human fibroblast grawth factor-10" J.Biol.Chem.272. 23224-23227 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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