研究課題/領域番号 |
08457617
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
紀氏 健雄 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70028843)
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研究分担者 |
高橋 隆幸 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (40216726)
岡本 正志 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (80194398)
森 浩一 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (20098487)
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キーワード | ubiquinone / rat liver / lipid peroxidation / hydrogen peroxide / carbon tetrachloride / hepatocytes / antioxidant / free radicals |
研究概要 |
細胞内ユビキノン(UQ)の抗酸化作用を顕在化させるため、ラットにUQ-10を投与した。UQ-10投与は肝のUQ-10含量を3〜4倍に高め、また、NADPH-UQ reductaseを有意に高めたが、体重、肝重量及び肝の各種抗酸化因子には有意の変動を与えなかった。この高UQラットは、四塩化炭素誘導肝炎に対し顕著な抵抗性を示した。高UQラット肝では、四塩化炭素による過酸化脂質生成、α-トコフェロール(Toc)消費が抑制され、脂質膜領域でのユビキノール(UQH_2)再生の高進が示唆された。しかし、水性領域のアスコルビン酸(AsA)及び還元型グルタチオン(GSH)消費には影響がなかった。さらに、高UQラット肝から調製した細胞懸濁液を用いた実験系を確立した。高UQ含有肝細胞は過酸化水素による細胞障害に対して有意の抵抗性を示した。また、この条件でも過酸化脂質の生成、Tocの消費が抑制された。しかし、AsA及びGSHの消費には影響がなかった。以上から、UQH_2-NADPH reductase共役系は細胞の脂質膜領域の抗酸化系として重要な役割を担っていることが確かめられた。また、AsA及びGSH再生系は生体内で機能いない可能性が示唆された。 新規ユビキノン類縁体としては、2、3、5-トリメチル-1,4-ベンゾキノン類並びにナフトキノン類を合成し、これらの一部に強い細胞呼吸阻害作用と脂質過酸化抑制作用を有するものがあることを認めた。 肝細胞質のNADPH-UQ reductaseは、NADPHによって安定化できることが判明し、ヘパリンアフィニティクロマトグラフィ、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ等を用い、電気泳動的にほぼ単一のバンド(MW.49kD)を示すところまで精製が進んでいる。
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