研究課題/領域番号 |
08457617
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
紀氏 健雄 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70028843)
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研究分担者 |
高橋 隆幸 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (40216726)
岡本 正志 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (80194398)
森 浩一 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (20098487)
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キーワード | ubiquinone / rat liver / lipid peroxidation / hydrogen peroxide / DT-diaphorase / hepatocyte / antioxidant / glutathione |
研究概要 |
ヘパリン-及ひヒドロキジナパタイト-アフィニティクロマトで単一バンド(SDS-PAGE)に精製したラット肝細胞質NADPH-UQ reductase(UQ Rdase)標品を用いて性質を調べた。酵素は、MW.49kD、等電点7.8のペプチドで、UQ-1〜11の同族体を還元したが、Vmax/Km値の比較で、長鎖UQでは、UQ-9及び-10をよい基質とした。NADPH存在下のUQ-10還元の至適温度は35〜400℃、至適pHは7〜8の範囲にあった。高濃度NADP^+、NAD^+、SH阻害剤(PCMB)は、活性を完全に阻害し、5mM Atebrinも約40%阻害した。2μM Rotenone、10mM NaN_3、lμM Dicumarolは全く阻害しなかった。また、FADは活性を顕著に促進した。酵素の構造解析は、失活しやすいこと、N末端が修飾されていることなどで大きな進捗がなかったが、リジンエンドペプチダーゼやBrCN処理で断片化されるので、その断片を構造解析中である。 培養ラット肝細胞のDT-diaphoraseを5μM Dicumrolで阻害した後、UQ-10を細胞内に取り込ませたが、細胞のUQ-10還元力には全く影響がなく、細胞のUQ還元作用はUQ RdaseによるものでDT-diaphoraseでないことが認められた。 また、肝UQ含量を増加させるチロキシン及びクロフイブレートをラットに投与すると肝細胞質UQ RDase活性も上昇し、UQ RdaseはUQ代謝と密接に連動した酵素であることが示唆された。 新規ユビキノン類縁体として2,5一及び2,6-Dichloro-1,4-benzoquinone誘導体8種を合成し、キノン環の3位及び6位に長鎖アルキルチオ基を導入すると強力な抗酸化作用を示すことを見出した。また、分子軌道法より求めた理論指数を用いた定量的構造活性相関(QSAR)解析法によるUQ類縁体の生理活性の数式モデル化を検討した。その結果、ベンゾキノン類の呼吸酵素阻害及び脂質過酸化抑制作用は、理論指数として全エネルギー、最低空軌道の電子密度、部分電荷、求電子感受率及び分子表面積を用いた一定の数式で表せることを認めた。
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