研究概要 |
本年度は,将来のシステム分析を行う上での理論的基礎となるべき方程式の導出・意味付け,及び,量子力学との対応に関して研究した.このシステム分析法の特長は,各要素の作用(人を死に至らしめる要素)を演算子として定義しする.また,システム全体を構成する場の成立を仮定する.このために,推計・少数標本の分析に威力を発揮する.基礎方程式が,電磁場の存在下での荷電粒子の運動のSchrondinger方程式と同一の形態となるために,物理学で開発された解析方法が応用可能になった.さらに,各種統計量も定義できた.そこで我々は,最も簡単な基礎方程式(空間2次微分,時間1次微分)を医療統計(受療率の推移)の解析に応用した. その結果(1)自由粒子状態は,遺伝的負荷を意味する,(2)実ポテンシャルは,全ての世代へ影響(環境の変化・社会政策の効果),(3)虚ポテンシャルは,特定の世代への効果を意味する事が判明した.具体的には,消化器疾患に関しては,10歳の所に病気を増加させる要因の存在と,逆に15歳の近傍には,疾患を減少させる因子の存在が認められる.泌尿器疾患に関しては,20歳の近傍に疾患のリスクを増加させる要因が存在する.また,これらの波動関数の期待値を計算する事で,疾患の間の関わりの程度が評価された.
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