研究課題/領域番号 |
08457634
|
研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
渡辺 裕司 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (10012642)
|
研究分担者 |
東田 道久 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (20207525)
松本 欣三 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助教授 (10114654)
|
キーワード | 脳血管性障害 / 両側総頚動脈永久結紮 / 記憶学習 / 痴呆モデル動物 / differential display / gene expression / in situ hybridization / rat brain |
研究概要 |
脳血管性障害は老年痴呆の主要な原因で、その治療薬の開発を目的に様々な動物モデルが用いられている。その多くは一過性の脳虚血モデルであり、ヒトの脳血管性痴呆に類似したモデルを用いた研究は少ない。我々は慢性的な脳血管性障害の動物モデルの確立を目的とし、ラットの両側総頚動脈を永久結紮(2VO)した際の学習行動変化と脳組織変化についての検討を行っている。今回、本処置による学習記憶障害に対するcholine神経系の関与を調べる目的で、同処置ラットの空間学習行動障害に対するcholinesterase阻害剤tacrineの効果を検討した。その結果tacrineは2VO処置による八方向放射状迷路課題におけるエラー数の上昇および四アーム餌置き法における作業記憶エラー低下を0.1〜0.3mg/kgの低濃度で改善した。これらのことから、2VOで発現する作業記憶障害は中枢choline神経系の賦活により改善されることが示唆された。また咋年、遺伝学的手法により単離した2VOにより発現量の変化する7種の遺伝子のうち3種についての部分配列を明らかにし、そのうち一種はカリウムチャネルと高い相同性を有すること、残る二種は新規の遺伝子であることを見い出した。新規遺伝子二種については、遺伝子情報を登録すると共に(AB006880〜83)、現在カリウムチャネル相同性遺伝子も含めて、それら単離遺伝子の発現量変化についての確認をPCR法を用いた定量により行なっており、また新規遺伝子の全長ならびに生理機能についての検討も続けている。
|