研究課題/領域番号 |
08457642
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
高橋 伯夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (80094431)
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研究分担者 |
枡田 緑 関西医科大学, 医学部, 講師 (50173753)
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
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キーワード | 内因性ウアバイン / 高血圧 / 電解質代謝 / ウアバイン結合タンパク / 細胞培養 |
研究概要 |
本年度の主たる目的である細胞培養上清採取はほぼ予定通り進んでいる。集めた培養上清は、0.2%trifluoro-acetic acidで処理した後、4L毎にAmberlite XAD-2で除蛋白した後、分画用ODSカラムのHPLCで色素を除き、ウアバイン様物質(OLF)分画を凍結保存している。 現在同定されている種々のsteroidホルモン等には血中に結合蛋白質が存在することが知られているが、OLFに関しては、ELISA阻害物質としての蛋白の存在が報告されているのみでほとんど明らかになっていない。本年度、我々は、ヒト血漿2Lからウアバイン-Sepharoseなどを用いたカラムクロマトグラフィーで結合蛋白を単離し、N末端アミノ酸配列分析の結果から本物質がplasminで分解されたIgGlのFe部分(pFc)であることを同定した。これは単離IgGlのplasmin分解でも証明でき、ウアバイン結合活性はnativeおよびaggregateのIgGlでは観察されず、pFcのみで認められることから、炎症反応などの部位でのOLFの新たな生理機能を示唆している。さらにpFcをSepharoseに固定化したカラムを作製し、細胞培養上清をapplyしたところ、OLFが吸着し、2MNaClでOLFが遊離してくることも認め、本カラムクロマトグラフィーがOLF精製に応用でき、affinity chromatographyのtoolとなることを明らかにした。 OLFの活性測定法としては我々の開発した高感度ELISAの他、生物学的活性測定法としてNaポンプ阻害活性などがあるが、いずれも阻害活性の定量で、偽陽性の判定が困難であることも観察される。今回、我々はU937細胞のMAP kinase活性化反応がbuffalinで観察されることに着目し現在ウアバインおよびOLFで同等の活性測定法を確立することを試みている。
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