研究課題/領域番号 |
08457651
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
|
研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
菱沼 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40103585)
|
研究分担者 |
佐居 由美 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (10297070)
横山 美樹 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70230670)
香春 知永 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (30194947)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
キーワード | 腰背部温罨法 / 自律神経活動 / 排ガス・排便 / 臨床効果 / clinical efficacy |
研究概要 |
本研究は腰背部温罨法が生体に及ぼす影響を、特に自律神経系を中心として生理学的に検証し、さらに臨床における効果を測定し、熱布による腰背部温罨法が排便・排ガスを促す看護技術として成り立つかどうかを検討することを目的とした。 自律神経系への影響は皮膚電気抵抗の変動、心拍変動のスペクトル解析および皮膚血流・皮膚温の変化を指標とし、腰背部温罨法の施行前から施行後60分までを追跡し、また罨法を行わない対照群のデータも収集した。実験群15例、対照群6例のデータから、罨法による交感神経系活動の変化は体位の変換より小さいこと、対照群において60分の安静仰臥位は交感神経系活動を上昇さすが、罨法を施行することによってこの交感神経活動の上昇を抑制する可能性が示唆された。 また病院に入院中または老人保健施設に入所中の54名(男22名、女32名)に対し、延べ76回の腰背部温罨法を施行し、排ガス・排便への効果を調べた。対象者の年齢は24〜97(平均60.3)歳で、排便困難の訴えまたは看護婦による排便困難の判断がなされ、研究への協力の承諾が得られた者とし、疾患は問わなかった。その結果、47.4%に排便、40.8%に排ガスが得られた。排ガスか排便のいずれかがあったのが61.8%、排ガス・排便とも得られなかったのは34.2%であった。 以上の結果から、熱布による腰背部温罨法は交感神経系の活動を抑制することによって、排便・排ガスを促し、臨床上有用な看護技術として成り立つ可能性が示唆された。
|