研究課題/領域番号 |
08457652
|
研究機関 | 横浜市立大学看護短期大学部 |
研究代表者 |
宮本 真己 横浜市立大学看護短期大学部, 教授 (30209952)
|
研究分担者 |
新町 豊子 横浜市立大学看護短期大学部, 助手
徳浪 香奈子 横浜市立大学看護短期大学部, 助手 (40290043)
江川 正人 横浜市立大学看護短期大学部, 教授 (40232938)
|
キーワード | 糖尿病患者 / セルフケア / 内発的動機づけ / 自己決定 / 教育入院 / 自己管理 / 問題の明確化 |
研究概要 |
糖尿病の専門治療を実施している2病院において、医療スタッフ、及び糖尿病患者を対象に、糖尿病のセルフケア援助をめぐる問題点について、内発的動機づけという観点から把握を試みてきている。前年度は、教育入院中の患者6例を対象に、半構造的面接、参与観察によるデータ、並びに医学的データに基づいて、動機づけの水準と自己管理の良否がどう関連するかについて分析検討を行い、内発的動機づけが高いほど自己管理は良好であることが確かめられた。 今年度は、教育入院のプログラムに、内発的動機づけの主要条件である自己決定感覚を高めるための働きかけを加えることによって、糖尿病患者の内発的動機づけを高める可能性を検討した。働きかけの方法としては、自己管理の持続には自己決定が重要であることについて説明した上で、"患者の抱えている問題についての明確化"と"問題解決に向けた対処の自己決定"を支援するための記録様式への自己記入を促した。7名の患者を調査対象とし、入院時点とプログラム実施後の内発的動機づけの変化、並びに退院3ヵ月後における自己管理の良否について分析検討を行った。その結果、講義と記録様式への記入が患者の自己決定感覚を高め、内発的動機づけを高める上でも有効であることが確かめられた。その背景として、患者は自分の抱えている問題の明確化が図れたことによって、自己決定が容易になり、有能さの感覚が高まるという心理的メカニズムが示唆された。 なお、上記の成果の一部については、平成9年度日本糖尿病教育・看護学会において、『糖尿病患者のセルフケアを高めるには-内発的動機づけを高めるためのアプローチについての検討』のテーマで報告を行った。
|