パッシブソーラーハウスの欠点を改善するために、申請者が設計した東京都内の付設温室のある半地下室のある住宅を使用して、潜熱蓄熱体(18℃で相変化を起こす)を用いる、日射遮蔽を用いるなどして半地下室内の温熱環境改善の実験と理論計算を行った。評価は半地下室内にグローブ温度計を設置し平均放射温度を知り、室内空気温度、相対温度、室内風速からPMVを求めることにより行った。付設温室は夫婦共働きの場合、洗濯物の乾燥室としても使用できる事から、その乾燥能力の検討を行った。一方半地下室である事から相対湿度が高めになる事もあり、カビの発生も予想された。半地下室内各部位より滅菌綿棒でカビを採取し、PDA培地で培養し同定を行った。カビ発生に付いては季節別の調査を行った。また各種の清掃法に対し「希釈法」を用いてカビ菌の減量を知り、アルコールによる清掃が最も効果があり、次に市販の防カビ剤が効果がある事を確認した。単にカラ拭きによる清掃では効果は認められなかった。半地下室内は騒音の遮音効果が高い事が期待されたので、外部で騒音を発生し、内部で捉え、また室内で騒音を発生させそれを外部で捉え遮音性能の評価を行った。以上の実験は初年度の研究であったのでさらに2年間継続し最終の評価を行う。
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