研究課題/領域番号 |
08458010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
江澤 郁子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10060641)
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研究分担者 |
塚原 典子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (00257073)
佐藤 和人 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (40187175)
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キーワード | 骨形態計測 / 病理研究支援画像解析システムIPAP / 成長期ラット / 運動 |
研究概要 |
骨粗鬆症の予防に関する研究を行うにあたり、幼若期から老齢期までの骨代謝を一貫して検討する必要がある。そこで本研究では、病理研究支援画像解析システムIPAPを導入し、これにより骨形態計測を行い、そこから得られる骨の細胞レベルでの骨動態を明らかにし、従来から用いている骨強度、骨密度の測定結果も併せて各時期の骨代謝の変化を検討することを目的としている。 本年度は、成長期ラットを用い、骨形成が盛んな時期における、骨に対する運動および摂取エネルギー量の影響を検討した。解剖時に得られた骨サンプルを用い、非脱灰の骨標本を作成し、顕微鏡から取り込まれる骨組織の画像を病理研究支援画像解析システムIPAPを用いて骨形態計測を行った。形態計測では、骨量、計測視野に対する骨量の割合、類骨量、計測視野に対する類骨の割合、骨面(骨量面の長さ)、一重標識面、二重標識面、二重標識面の面積、二重標識間の幅を測定した。これらのデータをもとに、石灰化速度、骨形成率などを計算した。骨形態計測の結果から、運動の負荷により、骨形成の亢進を示す骨梁幅、石灰化速度、骨形成率が亢進することが示され、骨細胞のレベルでも運動が骨の形成に有効であることが明らかとなった。また、in vivoの検討における骨密度および骨強度の結果も、運動の負荷によって明らかに増加していた。一方、摂取エネルギー量を制限して運動を負荷した場合は、骨形態計測の結果からは骨形成が亢進することが示されたが、この時、骨形成の亢進以上に骨吸収の亢進がみられ、その結果としてin vivoの検討における骨密度の増加、および骨強度の増強は認められなかった。以上より、運動は骨代謝改善に有効であるが、充分かつ適切な量のエネルギーを摂取していない場合は、運動による骨代謝改善が認められないことが示唆された。
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