研究課題/領域番号 |
08458025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高橋 眞一 神戸大学, 経済学部, 教授 (80030683)
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研究分担者 |
大城 直樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (00274407)
澤 宗則 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40235453)
山崎 健 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (20158132)
長谷川 孝治 神戸大学, 文学部, 教授 (60124872)
田中 眞吾 聖徳学園岐阜教育大学, 教育学部, 教授 (10031288)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 扇状地 / 震災死亡 / 住宅被災 / 居住地移動 / オフィス移動 / 都市形成 / 土地利用 / 淡路島 |
研究概要 |
3年間における震災研究において、研究における主眼は、阪神大震災の被害と復興に関する自然的基盤と社会経済基盤の関連をふまえた分析、それとの関連で、神戸を中心とした都市形成をふまえて、実態調査と地図の利用によるインテンシブな分析であった。報告書は、これらの研究の一部をまとめたもので、その結果は以下の通りである。 1. 被災については、詳細な地形分類図を作成し、それと実態調査をもとに、扇状地の新旧、都市形成と住宅崩壊の関係を明らかにした。人的被害では、自然基盤、震災犠牲者の分布と住宅特性、都市化過程の相互関連性の分析を行うとともに、神戸市震災後の人口動態・人口移動の推計を試みた。さらに、被災者の居住地移動に関する追跡調査を実施し、これらの結果をふまえて、社会的階層と居住地移動の関連が明確であることを分析した。 2. 復興分析では、神戸都心部オフィスの立地変動および都心再生に関する実態調査を行い、震災後のオフィスの都心回帰の傾向とその要因を分析した。また、神戸市のインナーシティ地域の内部構造、土地利用、及び戦災経験の差異が震災後の復興プロセスに影響を持ったことを明らかにした。さらに、ほとんど分析の行われなかった淡路島の中心集落について実態調査を行い、神戸市とは異なった復興過程の特質を明らかにした。 3. 地図を利用した分析では、歴史地図や都市形成史に関する資料収集を行い、近世以降震災時に至る土地利用の変化と被災の関係を明らかにした。また、震災後の新聞報道による地図利用のデータベースを作成し、その意義と限界を明らかにした。 今後の課題は、さらに実態調査、地図や統計資料、震災資料の利用によって、局地的な分析から神戸市のみならず阪神・淡路の震災地域全体について、自然、社会・経済両側面および都市形成を考慮に入れた知見を得るべく分析を進めていくことである。
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