研究概要 |
本システムは大学内に構築されているLAN,さらにはインターネット環境を利用したオンラインの新しい教育システムの可能性を模索することを目的としている.本システムは,受講生にとっては時間割りに拘束されることなく,必要なときに必要な個所を学習できるメリットがある.特に,基礎学力の不足した学生のための予備的・補修的授業などに適していると考えられる.本年度は科研費申請書の計画通り,学内LANを利用した新しい教育システムを試作した.このシステムは,World Wide Wed(WWW)システムを母体とし,これに電子掲示板および電子メールシステムを組み合わせたクライアントサーバーシステムである.この教育システムでは,テキストや画像などのマルチメディア教材を扱うことができる.受講生がただひたすらコンピュータと対話するだけにならないように,教師と受講生間のコミュニケーションすなわちオープンな質疑応答コーナーと事務連絡ルートがWWWブラウザを通じて開かれているように設計した.またコンピュタ-上で対話的に行うコース修了認定テストも組み込んでいる.受講生の教育システムの利用状況は教師側からいつでもモニターできるようにした.この試作品ともいうべき教育システムの実証試験をのべ50人の学生の協力により実施した.システムは順調に稼働した.その結果は、96年化学ソフトウエア学会(立教大学)で発表し,さらに化学ソフトウエア学会誌にも論文「ネットワーク新時代に対応した新しい講義システムの試み」として発表予定である.申請書の計画にも述べたようにシステムに搭載すべきコンテンツに関しては,次年度までに完成を目指している.
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