本年度は、Windows対応対話型数学CAI専用システムMACAIに、通信による教材のデータベース化への実現とともに、LANを利用した本格的な導入方法の検討を行い、情報工学系短期大学新入学生への数学基礎教育に用いる準備をほぼ終了した。情報工学系の基礎的数学については、今までの離散数学に関する実績を基に、大学での基礎学力として要求される高校数学の内容についてのアンケート調査という形でその内容と教育方法の研究検討を進めている。WindowsNT Serverをサーバマシンとし、Windows95、WindowsNTワークステーションをクライアント側に用いる構内LANを組み、教室内での教材のデータベース化と共用の実験研究を行った。また、数式・記号の処理についての数式処理システムMathematicaの利用は、「MACAI構想」によるMACAI形式への数式データ変換を行う数式エディタMaχを通してカット&ペーストでの数式・記号のテキスト上への張り付けは可能になったので、今後はOLEとしてのオブジェクトのリンク及び埋め込みの完成を目指す。また、Mathematicaのカーネルを経由してのCAI演習における解答チェックの方法を確立する。最も重要なCMIについては、動的カリキュラム研究では、問題演習とその学習データによるハブ型カリキュラムコントロールによる次の教材選好はハブ型を基本に学習の方向を修正、決定するという意味でGA(Genetic Algorithms)的アプローチをシステム内に組み入れることを終了した。 今後は、解答入力の形式、ヒントの出し方、学習者のノートの扱い、CMIの集計対象基礎データ取得の方法とその利用方法、解答分析とその応答すなわち学習者に対するKR情報としての内容とその量の問題、その情報の提供をどのように推論あるいは評価関数を用いて定量化していくかを解決しなければならない。また、ファジィ論による数学CAI教材構造分析、数学CAI学習による効果の測定についても研究を進める。
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