研究概要 |
他大学におけるマルチメディアを利用した外国語教育の状況を調査するために,大阪大学言語文化部及び成蹊大学のマルチメディア外国語教育環境を視察し,両大学の外国語担当教官と意見交換を行なった。また発音に関しては,ATR音声翻訳通信研究所で日本語・ドイツ語の音声認識,音声翻訳,音声合成技術の見学を行ない,日本音声学会主催の音声学セミナー「発音のメカニズム」において,発声の際の生理音声学的知識を吸収するとともに,研究者と意見交換を重ねた。そして「大学と科学」公開シンポジウム・「認知・言語の成立」に参加し,コミュニケーション能力及び発音能力研究に不可欠な認知科学に関する分野の造詣を深めた。さらには日本独文学会西日本支部学会教育部会研究発表会,豊橋技術科学大学主催の外国語セミナー,Goethe-Institut主催のMEDAK'96などコンピューター/インターネットを利用した外国語教育をテーマにした研究会に参加し,他大学の研究者と広く意見交換を行なった。 以上のような視察・調査・研究会参加・意見交換等で収集した資料を整理し,文字,音声,画像等のマルチメディアを利用したドイツ語の教材作成に着手した。そして科研費で購入したコンピュータ,コンピュータ・スピーチラボ,スキャナー,デジタルビデオカメラ,オーサリングソフトウエア等を用いて,ドイツ語のコミュニケーション能力及び発音能力向上のための教材を試作した。この教材は来年度の我々のドイツ語の授業で試用し,効果を検証して,さらなる改良を加え,より効果的な教材にする予定である。
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