本研究は、複数のコンピュータ上にある環境型学習支援システムをネットワークで結び、遠隔にいる学習者が共有する学習環境や個別に持つ学習環境を混在させた環境型学習支援システムの開発を目的とする。このネットワークで結ばれた環境型学習支援システムでは、学習者が自身の考えを確かめるために作成した道具を相手の環境に送りつけ自身の考えを説明したり、相手の環境にある道具と連携して自身の環境にあるオブジェクトを動作させて相手の考えを確かめたりすることもできる。システムの開発には、北海道大学で開発しているIntelligentPadシステムを用いる。 本年度は、製品版として開発されたIntelligentPadをプラットフォームにして学習教材を開発し、これをインターネットで結ばれた遠隔にあるコンピュータ上に配送するシステムを実現した。学習教材は、複数のコンピュータ間で相互に配送することができる。また、遠隔にあるコンピュータ上の学習教材にデータのみを送りつけるシステムアーキテクチャを開発した。さらに、遠隔にあるコンピュータ上の学習教材を離れた所から操作する(操作イベントを送る)システムアーキテクチャも開発した。 今後の課題は、学習者や教授者が行った操作イベントの編集を実現する。これによって、学習者は、教授者の行った操作を一つずつ確かめたり、教授者の行った操作を使って自身の考えを説明することができるようになる。また、学習者がコンピュータ上で行った操作を自動的に取り込み、教授者側のコンピュータに配送するシステムアーキテクチャを開発する。
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