研究概要 |
本年度は,ユーザが,情報システムが提供するユ-ティリティを自由に利用するために必須となる仕様記述環境の実現手法,この環境を実現するための,スーパーインテグレーションによるデータ駆動型プロセッサアーキテクチャ,および,TINA(Telecommunications Information Networking Architecture)環境のデータ駆動型実現法について検討した. (データ駆動型仕様記述環境) 本年度は,構造体データの仕様記述,ならびに仕様記述の階層構造の再構成手法を実現した.また,システムの応答の中で最も計算量が大きいと思われる記号実行および階層構造の再構成の実時間性について検討し,実時間制約を満足する見通しが得られた. (スーパーインテグレーションによるデータ駆動プロセッサアーキテクチャの検討) データ駆動原理の持つ多重処理性や受動性を活用して,TCP/IP処理のデータ駆動型実現法について検討を行った.まず,4つのプロセッサを1チップにスーパーインテグレーションした,映像信号処理向きのデータ駆動型プロセッサにおけるTCP/IP処理の実現法を検討し,映像信号処理に加え,通信処理にも適したプロセッサとするために,TCP/IP処理を考慮した命令セットを検討した. (TINA環境のデータ駆動型実現法) 本研究では,TINA環境をマルチメディア情報端末を含めて検討可能とするために,kTN(kernel Transport Network)をベースとしたTINA環境に,SOHO(Small Office Home Office)におけるPCを接続した,超分散システム環境のプロトタイプを検討した.
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