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1998 年度 実績報告書

プログラムのメタ情報を利用したソフトウェアの部品化手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08458062
研究機関東京大学

研究代表者

益田 隆司  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80114130)

研究分担者 河野 健二  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90301118)
千葉 滋  筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (80282713)
キーワード自己反映計算 / クラスライブラリ / 部品化
研究概要

本研究の目的は,近年になって注目されている次世代のオブジェクト指向技術である自己反映計算の技術を応用して,新たなソフトウェアの部品化の手法を開発することであった.この手法を用いると,(1)部品同士が互いに複雑に依存し合うため,従来,部品化できなかったソフトウェアを部品化できるようになる.(2)部品の組み合わせとして実現すると,実行効率が低下するソフトウェアを,実行効率を低下させずに,部品の組み合わせとして実現できるようになる.
本年度は,OpenC++を使ってソフトウェアの耐故障性(fault tolerance)を高める機能を部品化する研究をおこなった.さらに部品化の対象となるソフトウェアの範囲を広げ,現状の自己反映計算の能力でもうまく部品化できないソフトウェアを部品化するに必要な基礎技術の開発を行った.具体的には,従来は部品化が難しいとされてきたオペレーティングシステムや分散ミドルウェアを対象に研究を行ない,ファイルシステムやネットワーク,分散オブジェクトシステムを部品化するための方策を探った.
また,OpenC++のようにコンパイル時にメタプログラムを解釈実行する方式では,プログラムの実行時にしか行うことのできないソフトウェア部品間の保護を行うのは難しい.そのため,互いに保護を必要とするようなソフトウェア部品では,部品化することによって性能の劣化が起ってしまう.この性能劣化を押さえるため,部品間の保護を実現しながらも部品間の呼び出しによるオーバヘッドを削減できるような,仮想記憶機構を新たに開発を行った.

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] M.O.Killijian, J.C.Fabre, J.C.Ruiz-Garcia and S.Chiba: "A Metaobject Protocol for Fault-Tolerant CORBA Applications" Proc.of the 17th IEEE Symp.on Reliable Distributed Systems (SRDS'98). 127-134 (1998)

  • [文献書誌] 高橋雅彦, 河野健二, 益田隆司: "OSとアプリケーションの連携による軽量保護ドメインの実現方式" 情報処理学会研究報告. 98-OS-78. 153-160 (1998)

  • [文献書誌] Kenji Kono, Kazuhiko Kato and Takashi Masuda: "Comparison and Performance Study of Parameter-Passing Semantics and Implementations of Remote Method Invocation" Proc.of Second IASTED European Conf.on Parallel and Distributed Systems (Euro-PDS'98). 262-292 (1998)

  • [文献書誌] 河野健二, 加藤和彦, 益田隆司: "自律協調システムのための分散オブジェクトの共有機構" 日本ソフトウェア科学会第15会大会論文集. 325-328 (1998)

  • [文献書誌] Kenichi Kourai, Shigeru Chiba and Takashi Masuda: "Operating System Support for Easy Development of Distributed File Systems" Proc.of the 10th IASTED International Conf.on Parallel and Distributed Computing and Systems (PDCS'98). 551-554 (1998)

  • [文献書誌] 光来 健一, 千葉 滋, 益田 隆司: "多段階保護機構:拡張可能OSの新しいfail-safe機構" 情報処理学会 論文誌. 39巻11号. 3054-3064 (1998)

  • [文献書誌] Shigeru Chiba: "Macro Processing in Object-Oriented Languages" Proc.of Technology of Object-Oriented Languages and Systems (TOOLS Pacific '98). (1998)

  • [文献書誌] Hajime Miyazawa, Shigeru Chiba and Takashi Masuda: "A new technique of cache management for distributed file systems" Proc.of the second IASTED International Conference on Parallel and Distributed Computing and Networks (PDCN'98). 221-228 (1999)

  • [文献書誌] 日比野啓, 河野健二, 益田隆司: "遠隔メソッド起動におけるシリアライズの最適化の一手法" 第58回(平成11年前期)情報処理学会全国大会 講演論文集. (1999)

  • [文献書誌] 品川高廣, 河野健二, 高橋雅彦, 益田隆司: "拡張コンポーネントのためのカーネルによる細粒度保護ドメインの実現" 第2回プログラミングおよび応用のシステムに関するワークショップ(SPA'99). (1999)

  • [文献書誌] 河野健二, 加藤和彦, 益田隆司: "自律協調システムのための分散オブジェクトの共有機構" コンピュータソフトウェア. (掲載予定). (1999)

  • [文献書誌] Masahiko Takahashi, Kenji Kono and Takashi Masuda: "Efficient Kernel Support of Fine-Grained Protection Domains for Mobile Code" Proc.of IEEE International Conference on Distributed Computing Systems. (To appear). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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