研究課題/領域番号 |
08458064
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
並木 美太郎 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10208077)
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研究分担者 |
吉澤 康文 東京農工大学, 工学部, 教授 (10280992)
早川 栄一 拓殖大学, 工学部, 助手 (40262240)
高橋 延匡 拓殖大学, 工学部, 教授 (70111630)
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キーワード | 手書きデータ / OS / omicron / 抄紙 / 意紙 / オブジェクト指向 / C++ / マイクロカーネル / グループウェア |
研究概要 |
本年度は、システム全体の評価、特に、カーネルレベルと応用プログラム層からの視点で、本アーキテクチャの有効性を確認するために、次の研究を行った。 1. 「電紙」機構を管理するOSの評価 「電紙」の機構を管理・実現するOSとして設計されたSMARTμカーネルにより、手書きデータの持つ多義性・多様性を扱うことができ、OSアーキテクチャとしてワンレベルストア、動的結合の機能が重要であることが明らかになったが、さらに種々の手書きデータのサーバを構築したことで、有効性と限界をより明確にすることができた。 2. 「電紙」モデルをより具体化した手書きデータ管理機構の評価 「電紙」モデルをオブジェクト指向パラダイムを取り入れて、電子研究ノート、連続メディアの再生ツール、描画ツールなどを移植し、アーキテクチャの有効性を評価した。 3. 手書き向けのシステム拡張機構としてのオブジェクト指向言語処理系の拡充と評価 手書きデータに対応するために、システム構築をオブジェクト指向的な方法論で拡張する方式を提案し、C++言語を用いてその有効性を検証したが、システムの資源管理を実際にオブジェクト指向で記述し、また応用層でのプログラム開発を容易にするため、クラスライブラリを充実した。 4. 今後重要な応用となるモバイルシステム上での手書き計算機システムの要求の明確化と、クライアント・サーバシステムの試作 最終年度である本年度において、研究全体を通して、以下の成果を示すことができた。 1. 手書き計算機システムにおいては、多義性・多様性を扱うことが本質的な課題であり、それを念頭においてアーキテクチャが重要なこと 2. 多義性・多態性を計算機上の仮想的な紙のモデルを提案したこと。特に、仮想的なリンクが重要な役割を果たすこと 3. 多義性・多態性を扱うためのOSアーキテクチャとして、μカーネル構成とオブジェクト指向によるシステム記述が有効であること
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