研究概要 |
本研究の目的は, ・ソフトウェア工学実験環境で用いられる代表的な観測装置の統合 ・統合された装置による多面的な事象観測と分析を支壊するシステムを設計と試作 にある.本年度は「ネットワークを介した観測技術の確立」を目指した.得られた主な成果は次のとおり. 1.観測対象モデルの構築…ソフトウェア工学実験環境における被験者(ソフトウェアの開発者/利用者),被験者が操作するコンピュータシステム,被験者が作成する中間/最終成果物,被験者からコンピュータシステムに対する操作,及び,コンピュータシステムから被験者に呈示される情報のモデル化を行った.特に,被験者モデルにおいては,被験者の知識や経験と作業の難易度の関係をオ-ジブモデルで表現することにより,作業中における被験者の知職や経験の増加も取り扱えるようになった. 2.ネットワークを介したデータ収集機能の設計と実装…三次元運動計測装置,視線計測装置,精神反射波計測装置,キ-ストロークモニタをイーサネットに接続し,ネットワークを介してデータの収集,一元管理を行うシステムを実現した.但し,ビデオカメラからの映像/音声については,現有する設備である「映像/音声デジタル化装置」によってデジタル化し,UNIXやWindowsシステムにおける通常のファイル形式で収集する方式をとった. 3.ネットワークを介した観測装置制御機能の設計と実装…制御機能の実現に替えて,収集データの同期再生機能の設計,実現を行った.具体的には,三次元運動計測装置,視線計測装置,精神反射波計測装置,キ-ストロークモニタによって収集されたデータとの同期再生機能を持つビデオ映像再生システムを試作した.試作したシステムでは,データの通常再生に加え,一時停止,早速り,巻き戻し等も可能であり,収集データのより多面的な分析を可能にしている.
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