研究課題/領域番号 |
08458080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長谷川 隆三 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (20274483)
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研究分担者 |
越村 三幸 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (30274492)
藤田 博 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (70284552)
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キーワード | モデル生成 / 定理証明 / 弁別木プログラム / 並列処理 / 異機種分散 / 知識情報処理 |
研究概要 |
本年度は、モデル生成型定理証明システムMGTPの推論高速化に、(1)逐次処理と(2)並列処理の二つの面から取り組んだ。(2)の研究は、分散知識情報処理システムを構築するための基礎技術を確立する狙いもある。 1.逐次処理:MGTPの基本演算である連言照合と包摂検査では、内部データベースに対する二つの検索操作、matchable(照合するデータを検索)とidentical(一致するデータを検索)の二つの操作を煩雑に利用する。これらの操作を高速に行うことで定評のある弁別木プログラムを実装し、MGTPに組み込んだ。一般の弁別木プログラムは、格納するデータに変数が含まれているものとして処理を行っているが、MGTPで格納するデータには変数は含まれないので、変数に関わる処理を省略することができ、より効率的なプログラムを作成することができた。証明木が低い問題以外では、例外なく処理速度が向上(数割から数倍)することを確認した。 2.並列処理:PVM(ネットワークで接続された異機種のコンピュータ及び逐次コンピュータを、単一の大きな並列計算機に統合するパッケージソフトウェア)を利用したMGTPの並列版を実装し、ネットワーク接続した3台のワークステーション上でMGTPが並列に動作する事を確認した。また、並列処理による速度向上を狙って、いくつかの負荷分散方式の実験を共有メモリ型並列マシン(CPU20台)上で行なった。PVMは、多くの計算機アーキテクチャ上で利用可能であり、PVM上でMGTPの並列処理が行なえる事は、"異機種"分散知識情報処理への道も開けてきたといえる。 以上の他に、入力データをコンパイルする必要のないインタプリタ版MGTPの開発も行なった。
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