研究分担者 |
下条 誠 北海道大学, 生命工学工業技術研究所, 室長
山口 明宏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60281789)
横井 浩史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90271634)
三上 貞芳 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50229655)
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研究概要 |
本研究は、人間の多様な行動における非線形情報処理のプロセスを解明するために、人間がおかれた環境の動的要因と人間自体の多様な反応時間をもった動作要因を同時に扱える多数のセンサ群を時間的空間的に統合した生態学的な計測評価手法を確立することを目的とし、本年度は以下の成果を得た。 1.人のリズミックな行動に見られる同調、遷移、競合等の非線形情報処理構造を解明するため、生体微細振動とよばれるカオティック波形、及び指先脈派のリズミック波形を観測するシステムを試作した。従来解析の行われていなかった微細振動の時空間的な特性を,カオス性判別手法によりダイナミクスにより生成された信号であることを明らかにし,情動など人の状態をはかる情報源として利用可能であるという展望を開いた. 2.得られたデータから、それを生成する非線形力学系への多次元埋め込み手法と,観測されたダイナミクスとのカップリング手法を用いて,人の緊張状態、睡眠状態などによる非線形アトラクタ構造の違いを識別するための理論と手法を構築し,有効性を示した. 3.人間行動を無標点かつ実時間で観測できるトラッキングビジョンを用い、動物体の計測を行えるシステムを構成した。多点トラッキングでは照明などの影響が大きいので課題を残すが、特定部位の追尾には頑健性があることから、リズミックに変動する動体画像の明暗を数段階でとらえ動きを予測する手法を考案し、これによってセンシングの行動プランを生成するこができることを示した。また、柔軟面状の触センサをもったグローブ状の把持力計測装置を開発し、ビジョンと融合させることにより 、人間の把握動作の巧緻性を評価できるシステムを構築した。 3.被験者実験により、マンマシンインタラクションの中で通常見られるカオティックなリズムの力学的構造特性を計測評価しデータを蓄積し、今後の望ましいインタフェースへの応用を展望した.
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