研究概要 |
本年度は,以下のような項目について研究成果が得られる ●盆栽について:根の骨格の成長モデルに関する検討を行い,重力と水分の影響を受けて生長するモデルのプロトタイプを開発した.樹皮の表現法の改良として,既提案の断片貼り付け法に,立体マッピング法を適用し,必要なポリゴン数を大幅に削減した.また,葉の色彩変化モデルと葉や花・果実の生成モデルの開発のための基礎調査を行った. ●陶芸について:乳濁,艶消しを含め,発色モデルが扱える酸化金属の種類の拡大,焼成温度を考慮した発色モデルの開発,素地中の酸化金属を考慮した発色モデルの開発,および複数の釉薬の発色・垂れのシミュレーション法の改良について基礎的検討を行った.釉薬の垂れのモデルについてはいくつかのセルオートマトンモデルを考案し,コンピュータシミュレーションにより検討を行った.さらに,粒子ベース粘土モデルを考案し,そのプロトタイプを開発し,表現力の確認を行った. ●水墨画について:渇筆のシミュレーション法の開発と白描法(輪郭を描画する)のためのストロークの生成法の開発について基礎的検討を行った.また,既開発の水と墨の移動・拡散モデルを繊維を考慮した紙のモデル上で動作するように拡張した.さらに,水墨画調アニメーションの製作を行い,ノンフォトリアリスティックな3次元CGの有効性について確認を行った.
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