研究概要 |
近年,情報システムの分野では,種々のレベルのセキュリティが大きな問題となってきている.顔画像認識をセキュリティ問題への適用するに当たって,ニューラルネットワークを用いて比較的少人数を対象とした場合は良好な結果が得られる.しかしながら,対象とする人数を増やした場合は,顔の情報量が膨大であるため,認識率の低下と学習時間の増加が問題にる.本研究ではこれらの問題を解決するために,ファジィ理論を応用した小規模のニューラルネットワークを並列に使用するシステムを構築した.このことによりローカルミニマムに陥る危険も減少した. 方法としては,最初に入力画像を,パターンマッチング法により幾つかのカテゴリーに分類する.この際,ファジィ理論を利用して近い距離にあるパターンを幾つかのカテゴリーに帰属させる.次に各々のカテゴリーにおける画像を,小規模ニューラルネットワークを利用して,最終の判別を行う.システムに新しく一つのカテゴリーを追加する場合,既存のニューラルネットワークとは関係なく一つの新しいカテゴリーを含むニューラルネットワークを作りシステムに追加する.このことによりシステム全体の再学習が不要となる.小規模ニューラルネットワークの規模は入力層256,中間層128,出力層6のバックプロパゲーションアルゴリズムを用いた.実際に行った顔画像の認識の実験(対象人数25人)では認識率は99.33%であった.
|