研究概要 |
本研究では、マルチメディア技術を使って医用画像の遠隔診断を行うシステムを構築することにある。今年度は以下の3つのシステムを構築し、それぞれのシステムにつき、主に画質の評価を行った。 (1)画像処理ワークステーション(HP9000,C-class)を用いたマルチメディアコラボレーションシステムで回線は院内では100VG-any LAN、院外との病院はISDN64を用いた。 (2)パソコン(FMV-5133T3,OKI if Station5133/Dx,Dx,PC-9821Xal6など)を用いたマルチメディアコラボレーションシステムで回線はISDN64、ソフトはテレビ会議システム (Picture TELおよびPhoenix)である。 (3)パソコン(FMV-5150NA/X)を用いた会議システム(CU-SeeMee)で回線はインターネットである。 (1)ではスキャナー、ビデオ再生装置から静止画および動画(冠動脈・左室造影図及び心臓超音波図)を入力し、100VG-any LANを使って院内で動画伝送実験を行なった。100VG-any LANの場合にはオリジナルの画像と送られてきた画像との間に画質劣化は見られず、動画伝送のコラボレーションは良好であった。 (2)では静止画として肺がんの症例25例と正常例の肺X線フィルムをスキャナーから入力し(100dpi)、その画像について、コラボレーションを行った。5名の呼吸器科専門医に伝送画像とオリジナルの画像とにつき読影実験を行ない、ROC解析をした結果、遠隔医療システム上の画像はオリジナルのそれとの間に有意な画像の劣化は見られなかった。 (3)については論文発表した。
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