研究課題/領域番号 |
08458088
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
寺田 浩詔 大阪大学, 工学部, 教授 (80028985)
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研究分担者 |
許 炎 大阪大学, 工学部, 助手 (00243171)
岩田 誠 大阪大学, 工学部, 助手 (60232683)
滝根 哲哉 大阪大学, 工学部, 助教授 (00216821)
村上 孝三 大阪大学, 大型計算機センター, 教授 (10273731)
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キーワード | 統合的システム記述 / データ駆動パラダイム / 自己タイミング型回路 / 自律分散処理 / 超並列処理 / プログラム自動生成 / 動的データ駆動型マルチプロセッサ・システム |
研究概要 |
本研究は、現状のVLSIプロセッサ構成技術の延長では実現困難な領域の性能を達成する、新しい情報処理機構への革新的な展開を目的としている。即ち、決定論的・非決定論的処理が混在する領域を対象として、アルゴリズム水準から極限集積回路の水準に至るまで徹底的に分割統治型に設計し実現できる、新しいシステム構成方式を、申請者らが提唱している自己同期型ス-パパイプライン論理(SPL)方式を基礎として、実証的手法によって明らかにしようとしている。 この目的の達成には、ハードウェア実現法並びにその最適構成法とシステム記述体系に関する研究を有機的に実施することが不可欠である。研究初年度である本年度には、基礎的なシステム構成原理の基盤を確立する観点から検討を進めた。これらの成果は以下のように要約される。 a)SPL方式による汎用基本処理機構の検討:データ駆動型プロセッサへの分散型緩衝記憶機構の導入によって、データ流量の変動に耐性のある基本処理機構を構成可能であることを定量的に示した。 b)汎用基本処理機構の多次元結合方式の検討:エラスティック・パイプライン間の柔軟な相互作用の能力の活用によって、知的な機能要素を構成する方策を探索した。具体的には複数のパイプライン型リングが相互接続した触媒リング構造が、遺伝的アルゴリズムの実現に有効であることを明らかにした。 c)SPL方式による超並列アルゴリズムの視覚的記述法の検討:信号処理分野を対象として、ハードウェア・ソフトウェアを統合したシステム全体の記述からデータ駆動型プログラムを生成する体系を定式化し、そのプロトタイプを設備備品として購入したWS上に構築した。 d)SPL方式の評価手法の検討:基本処理機構としてのデータ駆動型プロセッサのデータ流量の数学的見積もり手法を定式化し、既設のデータ駆動型プロセッサQv-xの評価システム上での性能の比較により本手法の有効性を確認した。
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