研究概要 |
この研究では,コンピュータ上で体験できる3次元仮想空間の構造理解と利用者の行動様式の解明を目的としている。 平成10年度では,前年度までの擬似的都市空間における人間の行動パターンについて,さらに研究を進めた。具体的には,VRML(Virtual Reality Modeling Language)によって構築された擬似的空間の中での,空間オブジェクトの操作指示の伝達プロセスに着目した。実際に,VRMLを用いて擬似的空間を構築し,その中で人間に空間オブジェクトを動かしてもらう。ここでは,簡単な空間操作にとどめ,擬似的に構築した京都竜安寺の石庭の中で,二人の人間が互いに指示を出し合いながら個々の石を動かす様子を観察した。その結果以下のようなことがわかった。(1)右・左などの方向指示は容易だが,その程度の指示を出す伝達手段が必要である。(2)擬似的都市空間における空間操作伝達には,まだまだ課題が多いものの,現段階でもこの技術を都市計画策定過程に導入する意義は大きいこと,などがわかった。
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