研究概要 |
ダイバータ域での電離フロント位置や放射強度分布などの巨視的視的挙動との相関を明らかにすることが必要である。本研究では,レーザー計測法を駆使して,ダイバータ域の各種粒子の微視的挙動を明らかにする研究を遂行する。具体的には,トムソン散乱,二光子レーザー蛍光法,レーリーおよびラマン散乱法の適用領域と限界を明らかにする研究を進め,以下の成果を得た。 (3) トムソン散乱について 既存のレーザー装置およびプラズマ装置を用いて,既存装置での計測限界を明らかにする研究を進めた。プラズマ源としては,既設の電子サイクロトロン共鳴(ECR),二電極式高周波(RF),高周波誘導(RFI),磁気中性線放電(NLD)プラズマを用い,作動ガスとして,水素,ヘリウム,各種ガスを単独または混合して用いた。 その結果,トムソン散乱による電子密度の検出下限を長時間データ蓄積により5×10^<16>m^<-3>という,従来得られていない値まで下げることができた。また,この手法を用いて長時間放電トカマクTRIAM-1Mへの適用を考察し,既存の光学系で10^<18>m^<-3>までの測定が可能なことを示した。平成9年度に実験を実施する。 (4) 二光子レーザー蛍光法について 各種励起法の優劣を実験的および理論的に考察し,ダイバータ域の水素原子については,205nmおよび198nmと218nmを同時励起に利用するのが最適であることを示した。 (5) レーリーおよびラマン散乱法について レーリー,およびラマン散乱の検出限界について実験的に調べた。気体によって検出下限は異なるが,窒素ガスでは典型的な配置でプラズマ背景光がない状態では,前者は10^<19>m^<-3>,後者は10^<22>m^<-3>であることを示した。プラズマ条件下での研究は平成9年度に進める。
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