ハイパー熱中性子の生体に対する照射特性及びハイパー熱中性子照射場の実現の可能性を実験と計算の両面から確認することを研究目的にしている。今年度は、ハイパー熱中性子を発生させるために、平成8年3月に改修になった重水熱中性子設備に高温の散乱体を置いて特性を評価することを念頭に置いて、散乱体の温度を上昇させる装置を作成した。装置は、高温散乱体、発熱体、温度測定計等から組み立てた。措置は、実験上の安全性の確保を優先する必要があることから、高温時の除熱性能を確保しつつ、強固でかつ温度制御性能を持たせるという工夫が必要であった。このため、当初考えてたした材質のステンレスに加えて要所にはモリブデン等を使用した。また最大温度も1200度(1600)程度を出せるものとした。散乱体には安定性のある黒鉛を選んだ。これを用いて装置の熱的な安定性及び安全性の検討を実施していく段階にある。これと平行して、製作した装置の具体的な体系に合わせた中性子照射場のハイパー熱中性子発生特性をシミュレーション計算により評価した。平成9年度に行う実験に合わせて、各種温度での実験と計算の比較の為の基礎データとして収集中である。
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