本研究の目的は、高断熱高気密住宅が従来型の住宅と置き替った場合に実現される省エネルギー量を求め、民生部門エネルギー消費における量的な抑制効果を検討すること、さらに、高断熱高気密住宅の普及が促進されるべき地域を気候・住宅数等の面から抽出すること、にある。 平成8〜9年度の研究成果は以下のとおり。 1.北陸に立地する高断熱高気密モデル住宅の温熱環境およびエネルギー消費量の通年連続測定を実施し、屋内外温度差と冷暖房エネルギー消費との対応関係を明らかにした。 2.高断熱高気密住宅の普及による住宅暖冷房用エネルギー消費算定モデルを、住宅断熱4水準(無断熱住宅、旧省エネルギー基準適合住宅、新省エネルギー基準適合住宅、高断熱高気密住宅)の2010年までの戸数推計、ならびに断熱水準・空調運転方式・立地12地域別の冷暖房負荷計算結果に基づき作成し、高断熱高気密住宅の普及ペースに対応したわが国におけるエネルギー消費量の増減を都道府県ごとに算定して、高断熱高気密住宅の普及効果を明確にした。また、これにより高断熱高気密住宅の普及優先順位の高い都道府県が抽出された。
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