研究課題/領域番号 |
08458130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮 健三 東京大学, 工学部, 教授 (30011191)
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研究分担者 |
内一 哲哉 東京大学, 工学部, 特別研究員
中西 秀哉 東京大学, 核融合科学研究所, 助手 (10280596)
吉田 義勝 東京大学, 工学部, 助教授 (10251373)
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キーワード | 高温超電導体 / 核融合炉 / プラズマ垂直不安定性 / 最適設計 / 核発熱 / 電磁力 / 磁気応答 / フロー抵抗率 |
研究概要 |
(1)既に開発されているプラズマ平衡計算及び超電導遮蔽電流計算の連成解析コードの大幅な改良を行ない、(i)プラズマ安定化用高温超電導体の安定化効果の詳細な評価、(ii)炉工学及び超電導工学の観点からの超電導体適用性の検討を行なった。コードの改良は、1)高温超電導遮蔽電流の計算モデルとして、磁束フロー・クリープモデルを採用2)プラズマ平衡計算を簡易手法からより正確なGrad-Shafranov方程式に基づく手法に変更の2点である。検討した計算体系としては、国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計体系を採用した。また、高温超電導体の材料としては、Bi系テープ材を仮定し、現在技術的に達成されている物性パラメータを用いた。連成計算では、現在ITERの設計でもっとも深刻であると懸念されるプラズマ擾乱を与えた場合の高温超電導体の安定化効果を評価した。その結果、プラズマは高温超電導体を配置することにより十分に安定化され、その効果は従来のボロイダル磁場コイルシステムによる能動制御に比べ優れたものであることが明らかとなった。また、高温超電導体の形成、配置を炉工学制約条件のもとで、最適設計を行なった。特に、懸念されていたプラズマ立上げ時の超電導体の影響の問題については、その影響を低減する超電導体の接続方法を考案し、解決した。また、超電導体の核融合炉適用の際問題となる電磁力、中性子照射量、中性子核発熱量等についても数値解析及び模擬実験から評価を行ない、電磁力支持・中性子遮蔽等の設計を行なった。その結果、現在開発されている高温超電導テープ材を大型トカマクプラズマの安定化に適用することは十分可能であるとの結論を得た。 (2)本手法で適用を検討しているBi系高温超電導テープ材の核融合炉磁場環境下での磁気応答特性を調べる実験を行なった。具体的には、超電導体にパルス磁場を印加することにより励振させその電磁力を測定し、その値と遮蔽電流数値解析結果とを比較した。その結果、プラズマの安定化に寄与するテープ材の物性値としてフロー抵抗率が重要であることを明らかにした。また、本実験体系を用いてのフロー抵抗率測定手法を確立し、その検証を行なった。この測定手法により、今後のプラズマ安定化用高温超電導体の設計のための重要なデータを得ることが可能となった。
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