研究概要 |
はじめに 熱核融合反応によって発生する高速中性子のエネルギースペクトルのピークの半値幅は、粒子の熱運動の効果によりプラズマ温度の関数になる。これを利用して中性子エネルギー分布の半値幅を測りプラズマ温度の測定を行おうとするものである。 実験装置 全長300mm,内径32mmの比例計数管と有感面積200mm^2,有感深さ2000μmの表面障壁型Si半導体検出器とを組み合わせ、係数ガスのメタンからの反跳陽子のエネルギーを測定することにより入射中性子のエネルギーを測定するスペクトロメーターを作製した。 日本原子力研究所の高速中性子源装置において、14MeV単色中性子のエネルギースペクトルを測定した。 結果 比例計数管の出力とSi半導体検出器からの出力を加え、不感部分における損失エネルギーを補正し、かつ陽子反跳角度補正を行うことにより得られた中性子のエネルギースペクトルを求めたところ、エネルギー分解能は2.2%,検出効率7.5×10^<-6>,計数率22.0cpsであった。 まとめ 現在までに報告されている、スペクトロメータのなかでは、ほとんど最高のエネルギー分解能を示した。真にプラズマ診断に用いるには、より高い計数率での動作が必要である。このことは、スペクトロメータにおけるSi半導体検出器の並列使用とスペクトロメータ自体の並列使用により可能になると思われる。
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