研究課題/領域番号 |
08458142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 俊 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40183892)
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研究分担者 |
小川 浩史 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50260518)
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
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キーワード | 海洋 / 溶存有機物 / 分解 / 微生物 / 細菌 / アミノ酸 / 細胞外酵素 / タンパク質 |
研究概要 |
海洋の表層水に蓄積する緩分解性(Semi labile)溶存有機物は、大部分が高分子の有機複合体を形成しているもの考えられる。従って、本研究の最大の目的である、緩分解性溶存有機物の分解過程の解明においては、細菌の細胞外加水分解酵素による高分子有機複合体の分解機作とその速度論を明らかにすることが極めて重要である。本年度の研究においては、現場の溶存有機物を高感度で測定する技法(HPLCを用いたアミノ酸分析)の検討を進めるとともに、細菌群集による高分子有機複合体の分解過程の解析を行った。その結果、以下のような成果が得られた。 1。OPA法を用い、溶存アミノ酸の高感度分析システムを構築した。本システムの構築により、現場の低濃度の溶存有機物を高感度、かつ、高分解能で解析することが可能になった。 2。タンパク質を放射標識した細菌菌体を、膜画分と溶存画分に分離し、それぞれをモデル基質としてもちいた、高分子溶存有機物分解アッセイ系を構築した。それぞれの画分を異なる核種(14Cと3H)で標識することにより、高分子の存在状態に依存した分解速度定数の変動を、高感度に検出することが、初めて可能になった。 3。上に述べたアッセイ系を用い、タンパク質の分解速度定数の変動と、その存在状態の関係を解析した。その結果、タンパク質が膜成分と複合体を形成することにより、その分解速度定数が著しく減衰することが示された。この新しい知見は、現場における緩分解性溶存有機物の蓄積メカニズムを理解するうえで極めて重要な意義を持っている。
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