気象・植生変化に伴う実蒸発散量変化推定モデル構築

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08458143
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 東京農工大学
• 研究代表者: 青木 正敏 東京農工大学, 農学部, 教授 (60081569)
• 研究分担者: 伊豆田 猛 東京農工大学, 農学部, 助手 (20212946)
• キーワード: 実蒸発散量 / ボ-エン比 / 推定モデル / 微気象条件 / 土壌水分張力 / 植生被覆率 / モデル検証 / 推定誤差

研究概要

1.東京農工大学農学部農場(ダイズ、コムギ畑)、武蔵村山市(コナラ林)、タイ国(熱帯乾燥落葉樹林)および北海道更別村(ビ-ト畑)において、植生の蒸発散量・ボ-エン比・微気象・土壌水分などを、長期間連続観測した。ダイズ畑、コナラ林および熱帯乾燥落葉樹林については、葉のガス拡散気孔抵抗値を測定した。
2.上記のデータをもとに、気象条件・土壌水分条件および繁茂度とから、申請者ら(Aoki et al.,1996)が開発したボ-エン比推定モデル式を用い、日中平均ボ-エン比の推定値を計算した。それぞれの植生について、実測値とその推定値との差(推定誤差)と葉のガス拡散気孔抵抗値との関係を調べた。その結果、推定誤差と気孔抵抗はほぼ正比例の関係にあることがわかった。以前に推定したスリランカでのチ-ク林およびココナツヤシ林の結果も、その正比例関係にほぼ適合することがわかった。従って、その関係式と植物の葉の気孔抵抗値によって推定値に補正を施すことができることが確かめられた。
3.明年度では、できるだけ多くの植生について、蒸発散量・ボ-エン比・微気象・土壌水分などの長期間連続観測と葉の気孔抵抗測定を同時に行い、推定誤差と気孔抵抗の関係式を明確にしたい。それによって、多くの植生種について、推定式が実測値に適合するような補正式を作成し、申請者ら(Aoki et al.,1996)が開発した推定モデル式を汎用性の高い推定式に改良する予定である。

研究成果

• [文献書誌] M.AOKI: "A data aquisition system for evapotranspiration measurement in remote fields using mobile telephone and small DC gexerator" J.Agric.Meteorol.(Japan). 48(5)(印刷中). (1997)
• [文献書誌] M.AOKI: "A model to estimate transition of soil moisture tension in crop fields." J.Agric.Meteorol.(Japan). 48(5)(印刷中). (1997)
• [文献書誌] M.AOKI: "Estimation of Bowen ratio by climatic factors" Proceedings of ASAE International Conference on Evapotranspiration & Irrigation Scheduling,Nor.1996,San Antonio,Texas,USA. 341-346 (1996)
• [文献書誌] Y.Hideshima: "Regional network of irrigation scheduling information" Proceedings of ASAE International Conference on Evapotranspiration & Irrigation Scheduling,Nor.1996,San Antonio,Texas,USA. 716-721 (1996)
• [文献書誌] K.Nakamura: "Forcast of evapotranspiration by meteorological information" Proceedings of ASAE International Conference on Evapotranspiration & Irrigation Scheduling,Nor.1996,San Antonio,Texas,USA. 463-467 (1996)