研究課題/領域番号 |
08458144
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯田 孝夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50089843)
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研究分担者 |
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助教授 (10135387)
吉田 尚弘 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (60174942)
池辺 幸正 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50023073)
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キーワード | メタンフラックス / ラドン / 拡散方程式 / メタン同位体比 / 非化石起源メタン / 水田 / 日変動 / 大気拡散 |
研究概要 |
都市域のうち近郊域に着目してメタン発生源についてフラックスを求めた。メタンとラドンの大気拡散の類似性から、大気中ラドンおよびメタンの2成分モデルをたてた。このモデルにより、名古屋市西南部の近郊域でのメタンフラックスは7月および8月に大きな増大がみられ、.0.06gCH_4・m^<-2>・d^<-1>に達した。その後9月には急激に減少し、東半分の市街地と同程度のメタンフラックスとなる。住宅と水田が混在している測定局周辺の土地利用から、7〜8月のフラックスの増大は水田からのメタン発生と思われる。名古屋市近郊の弥富におけるメタンとラドンの連続測定結果を解析した。対応する日々の濃度ピーク値の対応より、7月のメタンフラックスは0.052gCH_4・m^<-2>・d^<-1>は、8、9月は0.030gCH_4・m^<-2>・d^<-1>となった。 大気中メタン濃度の日変動にともなうメタンの炭素同位体比の変化を解析し、濃度の日変動に寄与する地域内に分布するメタン発生源の構成を評価した。空気試料の採取期間、弥富町の試料採取地周辺地域で大気中へ放出されたメタンのうち、化石起源メタンは数%程度で、ほとんどが非化石起源メタンであった。非化石起源メタンは微生物によって生成されたメタンが主であることが明らかになった。試料採取地の周辺の土地利用を考慮すると水田に由来するメタンであると考えられる。 メタンフラックスが不均一な広領域における面積分フラックスの評価法を大気中ラドンとメタンの日変動の類似性を用いて、愛知県を例として述べた。その結果愛知県で年間15.12GgCH_4,名古屋市で年間1.52GgCH_4の発生量を得た。更に廃棄物埋立地からのメタンフラックスの評価法についても検討を行った。
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