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1996 年度 実績報告書

細胞の放射線および酸素ストレス応答の分子機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08458153
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

米井 脩治  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60093340)

研究分担者 張 秋梅  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00260604)
キーワード過酸化水素 / X線感受性 / 酸化ストレス応答 / 宿主細胞回復 / DNA修復 / 酸化的DNA損傷 / oxyR / レギュロン
研究概要

過酸化水素前処理によってX線抵抗性が獲得される事実を発見した。この応答は、前処理の過酸化水素の濃度が30〜60μMで最大であった。このX線抵抗性の誘導はクロラムフェニコールやリファンピシンによって阻害された。oxyRやkatG変異株のX線感受性のX線感受性そのものは野性株と同じレベルであった。さらに、X線抵抗性の獲得はoxyR、katG株変化株でも観察できた。すなわち、この応答はoxyRに依存しなかった。過酸化水素で処理したファージの生存率は、前処理した細胞のこのファージを感染させた場合、増大することが分かった。この応答にもoxyRは開示していなかった。これらの結果は、低濃度の過酸化水素によって明らかにDNA修復酵素の誘導が起こされたことを実証している。一方、UV感受性に対しては前処理の効果は現れなかった。したがって、過酸化水素で誘導されるDNA修復活性は酸化的損傷に特異的に作用する修復酵素であると考えてよい。過酸化水素で誘導されるタンパク質は40種類以上である。そのほとんどは遺伝子も誘導されるタンパク質も同定されていない。スーパーオキサイドではエンドヌクレアーゼIVの誘導が証明されており、一方の過酸化水素ストレスでも、まだその生化学的な性質は未知であるが、修復酵素が誘導されると考えてよい。ただし、それがエンドヌクレアーゼIVではないことは確かである。また、本研究で明らかになった過酸化水素によるDNA修復酵素の誘導がoxyRに依存しない事実は、過酸化水素ストレス応答にはoxyR以外のレギュロンが関与することを強く示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Q.M.Zhang,S.Mito,T.Takemoto and S.Yonei: "Induction of repair capacity for oxidatively damaged DNA as a component of peroxide stress in Escerichia coli" J.Radiat.Res.37・3. 171-176 (1996)

  • [文献書誌] H.Sugiyama,S.Matsuda,Q.M.Zhang S.Yonei and I.Saito: "New sythetic method of 5-formyluracil-containing oligonucleotides and their melting behavior" Tetrahedron Lett.37・50. 9067-9070 (1996)

  • [文献書誌] K.Yamamoto,F.Uraki,S.Yonei and O.Yukawa: "Enzymatic repair mechanisms for base modifications induced by oxygen radicals" J.Radiat.Res.(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] T.Takemoto,Q.M.Zhangand S.Yosei: "The effect of thioredoxin-and thioredoxin reductase-deficiency on the sensitivity to oxidative stress in Escherichia coli" Int.J.Radiat.Biol.(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 米井脩治,張 秋梅(共著): "活性酸素と医食同源" 共立出版, 356 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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