研究概要 |
(1)主要モデルについては、Duraiappahモデルからの拡張部分について、非線形の最適問題をgams上で解くときに、十分な収束がみられていないという問題がみつかった。そのために、二酸化炭素の世界的排出量の動きが非現実的なものになってしまった。この問題が、途上国グループから中国をDisaggregateした時点で発生していた。そのために、再度モデルの組直しを行っているが、現時点では、Duraiappahの枠組みから離れざるをえないという、結論に到達している。再度、モデルの単純化と構造の再構成の必要が生まれてきている。 (2)97年度は、ISOにおけるLCAの基準策定をめぐる動き、日本におけるPRTRのパイロット事業の実施や、環境ホルモン汚染などについての社会的な評価の高まりなど、合成化学物質の管理をめぐる動きが急で、これらを環境指標にどのように組み込むかという視点から、全体状況の把握につとめた。 (3)ここ数年の間に急速に発展してきた環境(能力)指標についての世界各国での研究の進展をフォローしつつある。OECD,オランダ、スイス、フィンランドなどでの指標の取り組みをまとめつつある。日本でも、総合環境指標の動きがある。これらは、基本的に、多様な指標をそのままとらえていこうという動きであり、ここでの本研究に直接組み込むことはできない。問題は、内外の環境指標の問題は、環境観の一貫性がないことからきていると判断している。
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