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1996 年度 実績報告書

N_2(A^3Σ^+_u)によるガス状汚染物質の分解反応とその速度係数の測定

研究課題

研究課題/領域番号 08458167
研究種目

基盤研究(B)

研究機関千葉工業大学

研究代表者

伊藤 晴雄  千葉工業大学, 工学部, 教授 (90083849)

研究分担者 鈴木 進  千葉工業大学, 工学部, 助手 (00265472)
キーワード窒素 / 準安定励起分子 / 衝突脱励起 / 反応速度係数 / 一酸化窒素 / CCl_2F_2 / CH_2FCF_3
研究概要

地球環境をとりまく大気中のガス状汚染物質によるN_2(A^3Σ^+_u)の衝突脱励起過程のデータを収集し,ラジカルとしてのN_2(A^3Σ^+_u)がガス状汚染物質をどの位のレートで分解できるかを知る目的で反応速度係数を決定する実験を行った。本年度はN_2/NO,N_2/CCl_2F_2,N_2/CH_2FCF_3の3種類の混合ガス中でN_2(A^3Σ^+_u)の実効励起寿命を測定し,N_2に添加した分子による衝突脱励起の反応速度係数を決定した。
放電容器内に設置した平行平板電極間に電離増倍が営まれるような電圧を印加した状態で,上側の陽極に開けた孔を通して下側の陰極に初期電子供給用の紫外光を照射し,定常電離電流を流しておく。電流は陰極側で測定されるが,紫外光を遮断した際の過渡電流波形をデジタルメモリに記憶させ,パソコンで波形処理される。この過渡電流波形の減衰は,指数関数的であり,N_2(A^3Σ^+_u)が陰極に衝突して二次電子を放出することによって流れる電流であることがわかっている。そして,この減衰時定数からN_2(A^3Σ^+_u)の実効励起寿命を知ることができる。この実効励起寿命を用いて,著者らの理論からガス状汚染物質によるN_2(A^3Σ^+_u)の衝突脱励起の反応速度係数を決定した。
NOによるN_2(A^3Σ^+_u)の衝突脱励起の反応速度係数は,4.75×10^<-11>(cm^3/s),更に,CCl_2F_2,CH_2FCF_3によるN_2(A^3Σ^+_u)の衝突脱励起の反応速度係数は,それぞれ8.32×10^<-13>(cm^3/s),2.96×10^<-15>(cm^3/s)となった。これらの報告値は著者らが知る限りでは存在しておらず,初めて報告されたものと考えられる。これらの結果は,リアクター中の反応過程を検討する上での基礎定数であると共に,コンピュータを用いたモデリング等においても有益なものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Suzuki,H.Itoh,H.Sekizawa and N.Ikuta: "Loss Processes of N_2(A^3Σ^+_u) by Harmful Gases" Japanese Journal of Applied Physics Part 1. No.7(掲載決定). (1997)

  • [文献書誌] S.Suzuki,H.Okutsuno,H.Itoh,N.Ikuta and H.Sekizawa: "Deexcitation Processes of N_2(A^3Σ^+_u) by Contamination Gases" Contributed paper of 13th European Sectional Conference on the Atomic and Molecular Physics of Ionised Gases (Poprad). B. 453-454 (1996)

  • [文献書誌] S.Suzuki,H.Okutsuno,H.Itoh,N.Ikuta and H.Sekizawa: "Loss Processes of N_2(A^3Σ^+_u) by CCl_2F_2 and CH_2FCF_3" Proceeding of Korea-Japan Symposium on Electrical Discharge and High Voltage Engineering. 175-178 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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