研究課題/領域番号 |
08458170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
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研究分担者 |
野路 征昭 千葉大学, 薬学部, 助手 (80271534)
山崎 真巳 千葉大学, 薬学部, 講師 (70222370)
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キーワード | 含硫化合物 / アリイン / アリナーゼ / cDNA / ニラ / ネギ属 |
研究概要 |
【目的】ネギ属植物は、その特徴として植物種特有の刺激臭を有している。これらは、アリインに代表されるS-置換システインスルホキサイドが、アリナーゼ(E.C.4.4.1.4,S-alk(en)yl-L-cysteine sulfoxide lyase)により、アリシン等の揮発性刺激臭物質へと変換されることにより発生する。更にこれらの変換物質より二次的に生成する物質として、抗アレルギー作用、抗菌作用、抗凝血作用など多彩な生理活性を持つ物質の存在が知られている。演者らは、すでにニラよりアリナーゼcDNAを単離し、その解析を行ってきた。今回、大腸菌におけるcDNA発現系により得られた組み替え酵素と、ニラより抽出精製した酵素とを比較検討した。 【方法・結果】ニラより単離したアリナーゼcDNAは、他の植物より得られたcDNAに対して推定アミノ酸配列で66〜69%の相同性を示した。ニラアリナーゼcDNAを大腸菌タンパク発現ベクターpET15bのT7プロモーター下流領域に挿入し、大腸菌におけるニラアリナーゼ発現系を構築した。IPTGにより、発現を誘導したところ、アリナーゼペプチドは、大腸菌包合体画分に検出された。同画分を尿素によって可溶化した後透析する事によってアリナーゼ活性を確認した。 一方、ニラより、硫安沈殿法、イオン交換カラム、ゲルろ過カラムによってアリナーゼタンパクを精製し、諸性質について解析した。ニラアリナーゼタンパクは、SDS-PAGE、およびゲルろ過による分子量測定の結果から分子量50kDaのホモダイマーを形成していることが推定された。さらに、システイン添加実験により補酵素としてピリドキサール-5'ーリン酸をサブユニット当たり1mol保持していることが示唆された。さらにウエスタンブロット分析により、ニラアリナーゼは、ニンニクアリナーゼによる抗体と交叉反応する事が示された。
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