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1996 年度 実績報告書

カブトガニ血球細胞内大・小顆粒に含まれる生体防御物質群の構造解明と作用機作の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08458183
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

川畑 俊一郎  九州大学, 理学部, 助手 (90183037)

研究分担者 牟田 達史  九州大学, 理学部, 助手 (60222337)
キーワードリポ多糖 / レクチン / 生体防御 / リピドA
研究概要

今回、新規にカブトガニ血球細胞内に見い出したレクチンは、Ca^<2+>依存的にヒトA型赤血球を凝集することでTachylectin-2とは大きく異なっている(Tachylectin-4と命名)。Tachylectin-4は、Dextran Sulfate-セファロースCL-6B、セファロースCL-6B、Fuc-アガロースを用いて精製され、50gの血球から約0.5mg得られた。Tachylectin-4のヒトA型赤血球凝集活性はキレート剤や高濃度のFucやN-Acetylneuraminic acidで阻害されるが、LPSで強く阻害された。LPSによる阻害は、O抗原多糖をもつLPSによってのみ観察され、リピドAとKDOのみからなる変異体のLPSによってはまったく阻害が見られない。従って、Tachylectin-4は、LPSのO-chainあるいはOuter coreに存在する糖鎖を認識している可能性が高い。Superdexによるゲル濾過では、Tachylectin-4は、分子量470,000の位置に溶出されたが、SDS-PAGEでは分子量30,000と31,000の2種のサブユニットから成り、多量体を形成していると思われる。逆相HPLCで分離した両サブユニットを、リジルエンドペプチダーゼによるペプチドマップで比較したところ、両者は非常によく似たisoproteinであることが示唆された。そこで、Tachylectin-4をGlycosidase Fで処理した後SDS-PAGEしたところ、分子量30,000のバンドのみが観察されたことから両サブユニットの差は、N-結合型糖鎖の差であることが予想される。次に、Tachylectin-4の部分アミノ酸配列の情報をもとにのcDNAクローニングを行い、全塩基配列を決定した。Tachylectin-4の前駆体は23アミノ酸残基のシグナル配列と232アミノ酸残基の成熟蛋白質からなり、一箇所のN-結合型糖鎖の付加部位が存在することが判明した。この配列をもとにホモロジーを検索したところ、Xenopus laevisの機能不明の蛋白質であるXL-PXN1のアミノ末端側領域と25%の配列相同性を持つことが判明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kawabata,Shun-ichiro: "Limulus kexin" FEBS Letter. 386. 201-204 (1996)

  • [文献書誌] Lal Agarwala,Kishan: "Limulus intracellular coagulation inhibitor type 3" Journal of Biological Chemistry. 271. 23768-23774 (1996)

  • [文献書誌] Kawabata,Shun-ichiro: "Tachycitin,a Small Granular Component in Horseshoe Crab Hemocytes,is an Antimicrobial Protein with Chitin-binding Activity" Journal of Biochemistry. 120. 1253-1260 (1996)

  • [文献書誌] Kawabata,Shun-ichiro: "Limulus factor D,a 43-kDa protein isolated from horseshoe carb hemocytes,is a serine protease homologue with antimicrobial activity" FEBS Letter. 398. 146-150 (1996)

  • [文献書誌] Iwaki,Daisuke: "Molecular cloning of limulus α2-macroglobulin" European.Journal of Biochemistry. 242. 822-831 (1996)

  • [文献書誌] Lal Agarwala,Kishan: "A cysteine protease inhibitor stored in the large granules of horseshoe crab hemocytes" Journal of Biochemistry 119. 119. 85-94 (1996)

  • [文献書誌] Kawabata,Shun-ichiro: "New Directions in invertebrate immunology" Clotting cascade and defense molecules found in hemolymph of horseshoe crab, 494 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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