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1996 年度 実績報告書

細胞内メンブレントラフィックの制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 08458190
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

中野 明彦  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90142140)

キーワードタンパク質の分泌 / 小胞体(ER) / ゴルジ体 / 小胞輸送 / SAR1 / SEC12 / RER1 / 酵母(S.cerevisial)
研究概要

「メンブレントラフィック」とは,真核細胞内において,小胞輸送によって実現されるオルガネラからオルガネラへのダイナミックな膜の動きを表わす言葉である.メンブレントラフィックは,タンパク質の輸送という基本的な機能に加え,オルガネラの独立性と特異性を維持すると共に,場合によっては細胞外からの刺激や細胞周期・分化のクジナルに応じて大規模な膜体制の変換をも行う重要な意義を持っている.その分子機構の理解はこの数年間に大きく進展し,さまざまな輸送装置の構造と機能が解明されつつあるが,輸送過程におけるタンパク質の選別のメカニズムとなるとまだその多くが謎に包まれている.
申請者らは,これまで出芽酵母を材料に用いて小胞体-ゴルジ体間輸送に関する分子遺伝学的研究を行い,輸送反応の鍵を握る重要な遺伝子群を同定してその機能を解析してきた.本研究は,小胞輸送における「タンパク質の選別」という観点に立ってこれらの研究の流れを統合し,輸送小胞の形成とリサイクリングという2つの重要な局面における選別の分子機構をさらに詳細に明らかにすることによって,細胞内メンブレントラフィックの根本原理を解明していこうというものである.
本年度は,小胞体膜タンパク質であるSec12pの局在化機構に関し,Sec12p自身のシグナルを同定する試みを行った.液胞膜タンパク質であるDap2pとのさまざまなキメラを作成し,その挙動を生化学的,形態学的に詳細に解析することによって,Sec12pの膜貫通領域にRer1p依存性の動的逆送シグナルが,またSec12pの細胞質領域にRer1p非依存性の静的残留シグナルが存在することを明らかにした.SEC12に関しては,そのts変異の遺伝子外抑圧変異を同定し,その機能調節の機構を理解するための一歩とした.また,小胞体からの輸送小胞形成の鍵を握るSar1 GTPaseについて,3つのts変異を同定し,その性質を詳しく解析した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sato,M.: "Endoplasmic reticulun localization of Sec12p is achieved by two mechanisms:Rer1p-dependent retricual that requires the trans membrane domain and Rer1p-independent retention that involves the cytoplasmic domain" J.Cell Biol.134. 279-293 (1996)

  • [文献書誌] Yamanushi,T.: "Characterization of yeast sar1 temperature-sensitive mutants,which are defective in protein transport from the endoplasmic reticutum" J.Biochem.120. 452-458 (1996)

  • [文献書誌] Nakano,A.: "Identification and characterization of extragenic suppressors of the yeast sec12 ts mutation" J.Biochem.120. 642-646 (1996)

  • [文献書誌] Ueda,T.: "Arabdopsis gene isolated by a novel method for detecting genetic interation in yeast encodes the GDP dissociation inhibitor of Ara4 GTPase" Plant Cell. 8. 2079-2091 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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