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1996 年度 実績報告書

抗菌性ペプチドに対する、ヒト好中球上の新しいリセプターの解析

研究課題

研究課題/領域番号 08458192
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

名取 俊二  東京大学, 薬学部, 教授 (50012662)

キーワード抗菌ペプチド / リセプター / 好中球 / 感染防御 / シグナル伝達 / サ-ベシンB / 昆虫 / バクテリア
研究概要

研究代表者はこれまでに、センチニクバエの生体防御機構に関与する様々な蛋白の精製、そのcDNAクローニングなどをおこなってきた。このうち、抗菌性蛋白ザ-ペシンBについて、そのα--ヘリックスに相当するアミノ酸11個よりなるペプチドに、ザ-ペシンBに匹敵する抗菌活性が認められることを示した。昨年度は、このペプチドを改変して得られる、より優れた抗菌活性を示すペプチドKLKLLLLLKLK-NH_2が、in vivoで感染防御効果を有することを示した。さらに、この感染防御効果が、バクテリアとの直接の接触によるのではなく、好中球やマクロファージの活性化に起因する可能性を示唆した。今年度は、好中球上にKLKLLLLLKLK-NH_2に対するリセプターが存在するかどうかを示すために結合実験を行った。
そのためにKLKLLLLLKLK-NH_2のN末端にチロシン残基を付加した後に^<125>I標識した。このペプチドとヒト好中球より調製した膜分画を用いて結合実験をおこなった。
その結果、KLKLLLLLKLK-NH_2に対する特異的な結合が検出され、スキャッチャードプロット解析の結果、解離定数は、約30nMであることがわかった。このことは、好中球膜上にKLKLLLLLKLK-NH_2に対する特異的なレセプターが存在することを示唆している。この結合は、走化性ペプチドfMLPによってまったく競合阻害されないことからこれまでに報告のない新規なレセプターである可能性がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ko-ichi Homma: "Purification,characterization,and cDNA cloning of a novel growth factor from the conditioned medium of NIH-sape-4,an embryonic cell line of Sarcophaga peregrina(flesh fly)" J.Biol.Chem.271. 13770-13775 (1996)

  • [文献書誌] Jae Yoon Leem: "Purification and characterization of N-β-alany-5-S-glutathionyl-3,4-dihydroxyphenylalanine,a novel antibacterial substance of Sarcophaga peregrina(flesh fly)" J.Biol.Chem.271. 13573-13577 (1996)

  • [文献書誌] Tomohiro Horio: "Purification and cDNA cloning of the alcohol dehydrogenase of the flesh fly Sarcophage peregrina a structural relationship between alcohol dehydrogenase and a 25-kDa protein" Eur.J.Biochem.237. 698-703 (1996)

  • [文献書誌] Yoshiyuki Sekizawa: "Immunocytochemical localization of lysenin,a novel protein isolated from the coelomic fluid of the earthworm Eisenia foetida" Biomed.Res.17. 327-330 (1996)

  • [文献書誌] Kiyoshi Kawasaki: "Presence of the periplaneta lectin-related protein family in the american cockroach Periplaneta americana" Insect Biochem.Molec.Biol.26. 355-364 (1996)

  • [文献書誌] Takahiro Ito: "Spermatocyte-specific expression of the gene for mouse testis-specific transcription elongation factor S-II." FEBS Letters. 385. 21-24 (1996)

  • [文献書誌] Shunji Natori: "New Directions in Invertebrate Immunology" SOS Publications, 494 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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